高橋誠一郎の描く大磯についての随筆集(『虎が雨』弊社、1994年刊)を新編集・函入り愛蔵版で刊行。 標題作「虎が雨」、戦前の慶大生の心中事件を描く「坂田山心中」、縁の深かった吉田茂元首相を追悼するいくつかの文章など珠玉の23編が並ぶ。 大磯の情景を描くとともに、高橋の生活の中心であった慶應義塾での生活を窺うことも出来、高橋ファンには必携の愛蔵版。
虎が雨 狐 金庫 峯岸治三君 大森海岸 坂田山心中 筍 『兇刃』を読んで 除夜と元旦 王城山荘日誌抄 洋服 芸術院総会を終えて 母の春 しょう夏法 湘南電車 吉田茂氏の養父 吉田茂氏追想 虎が石 獅子文六氏あれやこれや 見舞客 物忘れ 錦絵の大磯 大磯の虎
大磯町本書関係地図 初版へのあとがき 服部禮次郎 編者あとがき 丸山 徹
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高橋誠一郎(たかはし せいいちろう) 明治17(1884)年新潟に生まれる。明治31(1898)年慶應義塾普通科入学。明治41(1908)年慶應義塾大学部政治科卒。大正3(1914)年慶應義塾大学部理財科(現在の大学経済学部)教授に就任し、経済原論・経済学史を講ずる。以来、昭和53(1978)年まで三田で講義を続け、義塾における経済学研究の礎を築いた。昭和21年〜22年慶應義塾長代理。日本学士院会員。文部大臣、日本藝術院院長、国立劇場会長等を務め、戦後の文化行政を指導した。昭和54年文化勲章受章。昭和57(1982)年2月9日逝去。『重商主義経済学説研究』をはじめとする経済学上の主著は『高橋誠一郎経済学史著作集』(全4巻)にまとめられ、また愛着の深かった浮世絵については『浮世絵二百五十年』および『高橋誠一郎コレクション・浮世絵』(全7巻)、その他多くの随筆集がある。
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