ヘレニズムの詩とホメーロス
アポローニオス・ロディオス研究
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ヘレニズムの詩は擬古文学という側面をもつ。本書は、語彙、モチーフ、形式などの多方面に亘って模範としたホメーロスの文学との詳細な比較研究である。なかでも、アポローニオス・ロディオスの叙事詩「アルゴナウティカ」は、ヘレニズム初期の叙事詩で唯一生き残った作品であり、その叙事詩を中心に、模倣とアリュージョンという詩作の技法を分析し、変革の時代に文学と学問の綜合を目指した詩の本質を読み解くものである。

まえがき
I. ヘレニズムの詩における古典の模倣による継承と 詩作の技法 1.打ち合い岩 アルゴナウティカ 第2歌549−597行 2.メーデイアとナウシカアー アルゴナウティカ 第3歌876−884行 3.神の頷き カリマコス「パラスの沐浴」131−136行
II. ホメーロスのテクスト解釈へのアリュージョン 1.人間の食事 イーリアス 第1歌5行 2.甘美な眠り アルゴナウティカ 第2歌407行 3.消えた蛇 ……
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高橋通男(たかはしみちお)慶應義塾大学言語文化研究所教授 1940年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。専攻西洋古典学。
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