明治政府による最初の全国的統一刑法典・新律綱領の編纂過程と内容を『公文録』『太政類典』『職員録』などの公文書や、嵯峨実愛の『続愚林記』などから解明する。また新律綱領の第一次草案(未発見)の転写版・足柄裁判所旧蔵『新律条例』と、公文録所載「新律綱領」の対照表を巻末に掲載。 明治刑法史の碩学、故手塚豊教授の学績を継承し、昭和40年代以降出現した新発見資料を駆使し、新たな展開を試みる専門書です。

第一部 本編 第一章 新律綱領編纂考 第二章 新律綱領草案考 第三章 新律綱領の編纂と通行印鑑遺失条例の制定 第四章 足柄裁判所旧蔵『新律条例』考 ――改訂律例の草案と覚しき文書について――
第五章 改定律例編纂者考 第六章 『公文録』所載「新律条例」考 ――改定律例の再校草案と覚しき文書について――
付章 府県裁判所設置の一齣 ――足柄裁判所の場 ……
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藤田弘道(ふじた ひろみち) 昭和20(1945)年、兵庫県生まれ。昭和43(1968)年、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。昭和45(1970)年、慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻修士課程修了。現在、大阪学院大学法学部教授。
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