メルヘンという言葉の誕生の地であるドイツ語圏の歴史にそって、古い民間メルヘンから現代の作家までの作品を紹介しながら、その豊かな特性を探っていく。ユニークなドイツ・メルヘンの世界。
まえがき メルヘンという言葉が愛される理由 ムードと実体の間の距離 メルヘンという言葉の故郷 本書の前身である『メルヘン案内』について 文字の世界ばかりではない
第1章 メルヘンとは何か 桃太郎も赤ずきんもマッチ売りの少女もメルヘンの仲間 さまざまな訳語 なぜメルヘンが克服されなくてはならないのか 『白雪姫』の日本語版絵物語の点検 美しい絵本の功罪 あたらしいものほど良いという錯覚 メルヘン再考の時点
第2章 合理主義とファン ……
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宮下 啓三(みやした けいぞう) 慶應義塾大学文学部教授。1936年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。ドイツ文学を研究。著書に『スイス・アルプス風土記』、『ウィリアム・テル伝説』、『十八世紀ドイツ戯曲のブランクヴァース』、『700歳のスイス』他、訳書にムシュク『兎の夏』、フリーデル『近代文化史』他。
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