ソ連が崩壊してから十余年、ロシアの資本主義が目覚ましいスピードで変化している中で、ロシア経済の現実の姿は、歴史や社会状況を無視しては理解できない。 本書は、ミクロ経済分析の視点から、産業構造に関わる問題、金融に関わる問題、非公式経済に関わる問題について考察した画期的論考である。

はしがき 第1部 「産業構造」 第1章 ロシア産業の垂直統合をめぐる諸問題 第2章 ロシアの軍産複合体 第2部 「金融」 第3章 ロシアの銀行・企業間関係をめぐる諸問題 第4章 ロシア金融危機の要因分析 第3部 「非公式経済」 第5章 ロシアの支払い遅延および非貨幣取引をめぐる諸問題 第6章 ロシアの腐敗をめぐる諸問題 終章 ロシア型資本主義とその新たな分析の可能性
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
塩原俊彦(しおばら としひこ) 1956年生れ。1981年、慶應義塾大学経済学部卒。1988年、一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。日本経済新聞社、朝日新聞社勤務後、高知大学人文学部助教授。 主な著書として、『現代ロシアの政治・経済分析』(丸善、1998年)、『ロシアの軍需産業』(岩波新書、2003年)、『ビジネス・エシックス』(講談社現代新書、2003年)などがある。
|