独創的な教育論で知られる著者(慶大名誉教授)が、改めて教育の根本的な改革の必要を説く新・教育立国論。 日本の教育の歴史を辿り、その教育システムとそれを支える思想の根本的な誤りを「教育と政事」「教育と国家」のあり方に求める。 「国のための教育」から、ソクラテスの「善さ」を見つめた思想に基づく「人間個人のための教育」への変革を説き、未来の学校教育の理想を説く。
目次
序 新首相に――「大きな政治」を期待する――
第T部 日本の近代教育の歩み 一 「学校ノ制」のスタート 二 国家のための教育か、人間のための教育か? 三 「教育勅語」の出現 四 「政事と教育と分離すべし」 五 批判と抵抗――文学 六 批判と抵抗――教育 (一)大正自由教育運動とその経緯――その一 (二)大正自由教育運動とその経緯――その二 七 アメリカ教育使節団報告書 八 教育 ……
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教育学者。慶應義塾大学名誉教授。文学博士。 1922年生まれ、広島文理科大学卒業(教育学専攻)。教育思想、教育哲学の研究で知られ、教育哲学会会長、教育課程審議会の委員、第15期日本学術会議会員等として広く社会的活動を行ってきた。現在、日本通信教育学会会長。 著書に『教師ソクラテスの研究』(牧書店、1966年)『教育学入門』上・下(講談社学術文庫、1976年)『「善さ」の構造』(講談社学術文庫、1978年)『教育からの見直し』(東洋館出版社、1992年)など多数。『村井実著作集(全8巻)』(小学館、1987〜1988年)がある。
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