イギリスでは1802年に工場法が制定され、これは世界最初の社会政策と言われる。この工場法の実効を確保するため、監督職がおかれた。本書は、1893年に初めて設置された女性監督職が、中産階級女性の仕事として認知・確立されていく過程を克明に分析し、日本におけるイギリス社会政策研究の水準を飛躍的に高めた研究書である。 社会政策研究分野での新しい研究成果。

序章 イギリス工場法・工場監督職研究の歩み
第1章 女性工場監督官の任命
第2章 女性工場監督職の組織編制
第3章 男女工場監督職の「融合」
第4章 女性工場監督官の経歴
第5章 女性工場監督官の日記
終章 イギリス工場監督職における性差と階級
補論 女性労働協議会 1894ー1919
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1951年生まれ。 慶應義塾大学経済学部卒。 慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。 佐賀大学、立教大学を経て、現在、早稲田大学社会科学部教授。専攻は社会政策。 著訳書に『現代日本の女性労働』(日本評論社、1990)、共訳『女は「何処で」働いてきたか』(法律文化社、1990)など。
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