No.1242(2020年3月号)
特集
No.1242(2020年3月号)
特集
三田評論
2020年3月号表紙
知識に「概念知」と「身体知」がある。辞書の「実存主義」は「概念知」。「いないいないばあ」は「身体知」で、言葉では説明しにくい。本号はその「身体知」をよく言葉だけでまとめた。この切り口でほとんどの大きな記事が説明できてしまう。まず、特集「青少年とスポーツ」。座談会では一貫教育の強みを活かした小学校から大学までの「身体知」教育と実践が語られる。縄跳びの効用話が素晴らしい。講演録「認めあう社会」(西澤直子)を読むと、男がいかに「概念知」を独占してきたかを痛感。突破口は「先ず獣身を」という「身体知」思想かも。アートの世界も「身体知」と地続きだ。「慶應義塾ミュージアム・コモンズ」(松田隆美)や「時の話題 アートの価値・再考」、「現代演劇の〈声〉」(針貝真理子)と役者が揃った。きわめつきは「❝ゾンビ❞がやってきた!」(三人閑談)。座談の最後は目下のコロナウイルス蔓延を予言して気味が悪いほど。
鷲見洋一
高校野球の甲子園大会に代表されるように、日本では高校生のスポーツもとても人気があります。その一方、成長期に身体を酷使することによる故障や、部活動のやり過ぎなどが昨今、問題となってきました。子供の頃からどのようにスポーツに親しみ、そしてスポーツ嫌いにならないように育てていくべきなのか。慶應義塾での実践も紹介しつつ考えていく特集です。
気が付けば、今の日本では、ホラー映画の枠を超え、至る所に“ゾンビ”の姿を見ることができます。恋愛映画の一意匠として、コメディーの題材として、ハロウィンのコスプレとして……。なぜ、世の中はこんなにも「ゾンビだらけ」になったのか? ゾンビが表象するものは多様でかつ深いものもがありそうです。
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。