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連載

The Cambrige Gazette


グローバル時代における知的武者修行を目指す若人に贈る
栗原航海(後悔)日誌@Harvard

『ケンブリッジ・ガゼット:Lessons Learned』

第8号(2007年1月)
 

 

■ 目次 ■

 

4. 編集後記


 「栗原後悔日誌@Harvard」の新年号の本文は以上です。年の初めに当たり、「志」が高く、また才能溢れる未来の「知的サムライ集団」と、美酒がなみなみと注がれたギヤマン・グラスや金杯を高く掲げて、明るい将来を語らいたい気持ちで一杯です。さて、約15年前、世界の中で眩しい程日本が輝いていた頃、そしてアジアの人々が日本に期待し、また日本人自身も将来を疑わなかった頃、或る感性豊かな日本のミュージシャンが『TIME CAN’T WAIT』を著しました。そして次のように語ります。「僕は日本人として生まれてきたのだから、日本が誇り高い毅然とした国であってほしいと切に思う。… TVのドキュメントを見て『感動』してしまう時くらいで、その余韻が残るのも二時間ほど。日本の不幸はそこから始まっている。世界がほんとうに日本に対して言いたいことは貿易不均衡のことではない。日本の倫理感の無さを問うているのだ。ある親が他人の子供の様子を見てその親に『躾の悪い子供ですね』とはとても言えないから遠回しに『まあ元気なこと』とか言って眉をひそめていると同じように、『日本も先進国になったのだから』と出来る限りの厭味で意志を伝えようとしているのに『我が国もとうとう先進国の仲間入り』と喜んでいる。… 時は決して僕を待ってはくれない。またいちにちが終ってゆく。理想を後回しにせず、一所懸命生きてゆきたいと思う」と。私はお屠蘇気分のなか、この小田和正氏の本を再読しつつ、「若い皆様を応援するために私に残された時間は幾ばくだろうか」と考えております。

 

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著者プロフィール:栗原潤 (くりはら・じゅん)
ハーバード大学ケネディスクール[行政大学院]シニア・フェロー[上席研究員]
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