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目次
日々賭けをする人々
A5判/上製/392頁
初版年月日:2025/03/20
ISBN:
978-4-7664-3014-1
 
(4-7664-3014-X)
Cコード:C3039
税込価格:5,940円
日々賭けをする人々
フィリピン闘鶏と数字くじの意味世界

目次

まえがき――賭博の魅惑

序 章 彩色の精神
 1 なぜ、賭博なのか:日々をあやなすということ
 2 どのように賭博を論じるのか――日常をアクティベートさせる賭け
 3 どうやって賭博を捉えるのか――浮かんでは消える事物、賭けが放たれる先
 4 本書の展開

 第I部 賭博が根差す場、その基層

第1章 賭博との出会い、フィールドワークの輪郭
 1 四つの調査地と家族たち
 2 ミンダナオをいかに論じるのか
 3 調査の内実

第2章 フィリピン賭博の歴史
 1 国家と賭博
 2 植民地主義による賭博の規制・管理・制度化
 3 国家に庇護される賭博産業の成立
 4 違法賭博と国家の共謀
 5 加速する国家の賭博胴元化

第3章 規律訓練されない賭博者たち
 1 法が善悪を定めるのか――数字くじ合法化「以前」と「以後」
 2 行使される公権力、恐れる/恐れない/憤る人々
 3 違法運営の崩壊と維持

第4章 善悪と神
 1 善い賭博、悪い賭博
 2 日常的賭博実践における善悪の境界線
 3 善き状態をあらわす分かち合い「バラト」
 4 何が幸運をもたらすのか――賭博における神

 第II部 闘鶏――人間と鶏が織りなす伝統的熱狂の円環とリズム

第5章 闘鶏のエコノミー――鶏と関係を結び、鶏に生活を賭ける人々
 1 フィリピンの闘鶏――産業化されたナショナル・スポーツ兼賭博
 2 闘鶏を解釈の道具から解放する
 3 闘鶏の仕組みと諸アクター
 4 鶏と関係を結び、鶏に生活を賭ける人々
 5 「蹴爪をつけるための鶏」の生涯
 6 「戦士」から「食用」へ──闘鶏場の一日
 7 ポリティクスではなくエコノミー――人間−鶏関係再考

第6章 充満する「負けの理由」――鶏に賭ける技法と不運の制御
 1 闘鶏場を沸騰させる賭けの熱狂
 2 トラビシヤの賭けの技法
 3 鶏を選択し賭けを決断する知
 4 闘鶏場の反復的時間と賭けのリズム
 5 前景化する不運
 6 「わからない」現実と賭けの不運――鶏が他者として浮かび上がるとき

 第III部 数字くじ――無根拠性の内に増殖する自己と世界の接続

第7章 つまらない賭博への没頭――数字で世界を埋め尽くす
 1 つまらない賭博、数字くじ
 2 「人はなぜ賭けるのか」をめぐる応答
 3 遊戯の面白さと没頭
 4 ラストトゥーの日常
 5 数字を予想し、解釈する
 6 数字で世界を埋め尽くし、偶然性に深入りする
 7 世界の謎を解き、幸運を狩りたてる

第8章 確率的思考の流転と現実性への接近――異なるレイヤーを往還する
 1 当たらないとわかっている、けれど賭ける
 2 確率的思考
 3 賭博における確率的思考と認知バイアス
 4 確率的存在としての賭博
 5 確率的思考の流転
 6 現実性への肉薄

終 章 意味に満ち満ちた世界
 1 賭博者の世界
 2 醸成する運の観念、自らの側に引き寄せる世界
 3 創出する特異的現在、先鋭化する現実
 4 現実に驚く
 5 賭博者的な生


フィリピン賭博用語解説
あとがき
参考文献
索引
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