植民地朝鮮と「出産の場」
産婆と胎教の衛生史

序章 「出産の場」と「生政治」 1 研究背景――産婆と胎教の位置づけ 2 研究方法──フーコーの「生政治」と「言説」、そして〈現実〉 3 研究史──「出産の場」を支える四つの柱 4 研究目的──植民地朝鮮の「出産の場」を解明する 5 本書の構成 6 本書における用語と記号の定義
第一部 出産風習と産婆制度
第一章 植民地朝鮮における出産風習と産婆養成政策 はじめに 1 近代日本の産婆制度と植民地への移植 2 朝鮮の出産風習 3 日本人衛生医療関係者の見た朝鮮の出産場景 4 植民地朝鮮における産婆養成 おわりに
第二章 朝鮮人産婆の労働環境と社会的位置づけ――1920年代の新聞・雑誌に見る産婆の物語 はじめに――職業婦人としての産婆 1 植民地期女性の職業としての産婆 2 産婆が語る朝鮮の労働の〈現実〉 3 1920年代の産婆の経済的・社会的位置づけ おわりに
第三章 産婆と風習のせめぎ合い、そして出産医療の〈現実〉 はじめに 1 「旧慣」を駆逐し、産婆を利用せよ 2 伝存する出産風習と衛生との葛藤 3 産婆が語る朝鮮社会と「出産の場」の様子 4 京城の都市貧民を取り巻く、出産医療の〈現実〉 おわりに
第二部 胎教と「生政治」
第四章 出産風習としての胎教と「優生学」 はじめに 1 前近代の胎教と植民地朝鮮における伝存 2 1930年代前半の優生学と胎教 3 1930年代後半の胎教を取り巻く論争 おわりに
第五章 韓半島にもたらされた「近代の知」と胎教――女性教育、民族改造、〈朝鮮学〉振興運動 はじめに 1 「女性教育論」と胎教言説 2 植民地期の「民族改造論」と胎教 3 女性医師・許英肅の民族改造論と胎教 4 1930年代後半の「〈朝鮮学〉振興運動」と『胎教新記』 おわりに
終 章 近代化する「出産の場」と女性 1 生き残った出産風習と植民地朝鮮の近代 2 「出産の場」を眺めるということ──本書のまとめ
註 引用・参考文献 初出一覧 あとがき 索引
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