ビジネス法務学の誕生

はじめに―ビジネス法務学の骨子と本書の全体像 1 新しい学問の旗を立てる 2 ビジネス法務とビジネス法務学 3 学問的イノベーション 4 法律学の限界 5 ビジネス法務学とSDGs・ESG 6 動態を捉えるビジネス法務学の分析手法 7 法律学とビジネス法務学との「素材」の差 8 ビジネス法務学の各論と基本理念 9 本書の構成 10 消去法から逆転の発想へ 11 新しい学問分野の提示
第T部 総 論 第1章 ビジネス法務学序説 T はじめに―問題の所在 U ビジネス法務学の形成 1 ビジネス法務学形成の第一段階―「資料収集」 ⑴ 2019年度まで/ ⑵ 2020年度から 2 ビジネス法務学形成の第二段階―本質や独自性の検証 3 ビジネス法務学に必要な要素 4 ビジネス法務学形成の第三段階―「理念」の探究 5 ビジネス法務学の考えられるメニュー ⑴ ビジネス法務の発展予測/ ⑵ 高齢社会に対応するビジネス法務の掘り起し/ ⑶ SDGsの観点からして適正に発展すべきビジネス法分野の探究 6 実務家教員の優位分野(あるいは研究者教員との協働の必要な分野)の探究とビジネス法務学の関連 7 ビジネス法務専攻における研究と教育のつながり 8 法学研究科ビジネス法務専攻における実務家教員の養成 9 ビジネス法務実務家教員養成用のテキストについて 10 結びに代えて―「オンリーワンでナンバーワン」という基準
第2章 これからのSDGs・ESGとビジネス法務学 T はじめに 1 過去は現在を課題づける―始まりは1999年と2000年 2 10年で変化した地球環境の「切迫度」 U ビジネス法務に「学」はあるか V ビジネス法務学から見るSDGs・ESG 1 「持続可能性」の把握 ⑴ SDGsの何番?はない/ ⑵ キーワードはサステナビリティ/ ⑶ サステナビリティを考える目線―論点の留保/ ⑷ サステナビリティのレベル/ ⑸ サステナビリティから見たSDGsとESG投資の関係/ ⑹ 「ESG債」に一言/ ⑺ 使うべきではない比喩―SDGsとESGの緊張関係 2 ビジネス法務学から見るSDGs・ESGの具体例 ⑴ サステナビリティから地域活性化、地方創生へ/ ⑵ 金融検査マニュアルの廃止と「創意工夫」/ ⑶ ルール創り能力、コミュニケーション能力、「目利き」能力プラス規範的判断力の涵養/ ⑷ ABLの再評価―生かす担保論/ ⑸ 事業性評価のシステム化・法制化 W 「行動立法学」の提唱 1 「行動立法学」とは 2 規制法と促進法 3 行動立法学と普及学 X 付 論―経済学の方向転換 Y これからのSDGs・ESGとビジネス法務学の展望 1 レインボーカラーの利益 2 選別の連鎖 3 人的資本と人材教育(人的資本への投資) 4 新しい「契約」によるビジネスチャンス 5 サプライチェーン全体での責任―企業間の新しい「連結」へ Z 結びに代えて―ビジネス法務学の確立へ 1 ビジネス法務学の本質 ⑴ ビジネス法務学の「持続可能性」/ ⑵ 法律学との対比で見るビジネス法務学の本質/ ⑶ SDGs・ESGとビジネス法務学の必然的結合 2 ビジネス法務学の展望 ⑴ 新しいビジネスチャンスに基づく新しいビジネス法務学/ ⑵ Society 5.0のビジネス法務学/ ⑶ 小括
第3章 変革の時代の民事立法のあり方と ビジネス法務学 T はじめに U ABLからの発想 V 立法の出発点―法律学とビジネス法務学の違い W 立法担当者の関心事と立法の姿勢 X 規制法と促進法 Y ABL支援とスタートアップ支援の共通点 Z おわりに―変革の時代の民事立法のあり方とビジネス法務学
第4章 ビジネス法務学の確立と そのハブ構想 T はじめに U ビジネス法務学の概念 1 「ビジネス法務」の概念規定からの出発 2 「ビジネス法務学」の概念―既成概念との区別 3 「ビジネス法務学」の概念―法律学との区別 4 「ビジネス法務学」の概念―具体的内容の構築 5 「ビジネス法務学」の概念―目的と定義 V ビジネス法務学の学問体系 1 「ビジネス法務学」における総論と各論 2 「ビジネス法務学」におけるカリキュラム構成―総論部分 3 「ビジネス法務学」における各論の例 W ビジネス法務学の各論の実践例 1 「ビジネス法務学」各論のカリキュラム上の実践例 2 「ビジネス法務学」各論の発信例―太陽光発電ビジネス再考 X ビジネス法務学における倫理と研究倫理 1 二つの意味での重要性 2 ルール創りの「可能」性 3 ビジネス法務学とSociety 5.0の「規範的判断力」 4 ビジネス法務学における研究倫理の核心 Y ビジネス法務学のハブ構想 1 ビジネス法務学のハブ構想 2 ビジネス法務学の「ハブ適性」 3 ビジネス法務学の法律学との関係 4 ビジネス法務学のハブ構想の実証実験例 5 高齢者法学からの検証 Z ビジネス法務学の「教育」 1 ビジネス法務学の学部段階での教育とその教材 2 ビジネス法務学の大学院レベルでのテキスト例 3 ビジネス法務学と実務家教員の養成―法学教育イノベーションへの道 [ 結びにかえて
第5章 女性活躍のビジネス法務学 T はじめに U そもそも論―「反動の明治」? 1 仮説の提示 2 論証のための例示―夫婦同氏制成立の経緯 3 論証のための例示―「日本古来の家族観」の形成 4 論証のための例示―女人禁制 V ノーベル経済学賞の業績と「ルール創り」 W 少子化対策と夫婦別姓 X 法律によるコントロールの限界 Y 仮説の帰結としての「価値観の固定化」 Z 制度の問題と個人の意識の問題 [ 小 括 \ エピローグ
第U部 各 論 第6章 太陽光発電のビジネス法務学 T はじめに U 議論の前提―我が国の電力構成と政府の対応 V FITの欠陥 W 「売電」の虚構―「超高度自給自足社会」の提唱 X 太陽光発電再考 1 他の再生可能エネルギーとの比較 2 FITに起因するさらなる問題 Y ペロブスカイト型太陽光発電パネル Z 金融機関の新しい融資基準 [ 市民の対応―「卒FIT」家庭の問題 \ 蓄電池製造企業の対応 ] 大学の対応 Ⅺ 小 括
第7章 物流のビジネス法務学 T はじめに U 物流のビジネス法務学 V 「力関係」逆転の契機 W 自動運転のビジネス法務学 X 物流と金流のデータサイエンス Y 補 論―ミクロの「物流のビジネス法務学」
第8章 国際規格・国際標準のビジネス法務学 T はじめに―国産スペースジェット(MSJ)はなぜ就航できなかったのか U 型式証明とは V 日本企業の技術的ルール観 W 型式証明のビジネス法務学 X 国際規格と国際標準 Y 「標準」の重要性 Z 国際標準獲得への努力 [ ドローンの国際標準―ある自動車会社のナラティブ \ 国際標準という「ルール創り」と日本の危機 1 諸外国の攻勢と日本の意識 2 国際標準というルール創りの国内的プロセス ] 小 括―ビジネス法務学から再考する、国際標準という「ルール創り」の意味 Ⅺ 補 論―ビジネス法務学のハブ構想
第V部 誕生の背景 第9章 実務家教員養成プロジェクトと ビジネス法務学 T はじめに U 年次報告書の出版 V 5年間の事業の報告―段階的発展 1 第一段階 2 第二段階―その1 3 第二段階―その2 4 第三段階 5 最終年度の活動―ビジネス法務学の確立へ W おわりに
第10章 実務家教員とリカレント・リスキリング教育、さらには教育イノベーション T はじめに U 実務家教員養成事業の客観的評価 V 武蔵野大学のプロジェクトについての主観的評価 W 武蔵野大学法学研究科限定の成果―ビジネス法務学の誕生 X 実務家教員養成事業の今後の展開 Y 結 論
第11章 ビジネス法務学の教員養成 ―学問としての持続可能性のために T はじめに U ビジネス法務学教員の養成母体 1 大学院 2 学部 V 想定されるビジネス法務学の科目・カリキュラム 1 大学院の場合 2 学部(ビジネス法務学部?)の場合 W ビジネス法務学教員の研鑽
おわりに―デジタル社会のビジネス法務学展望 未知数のAI ビジネス法務学の次なる課題―デジタル取引への対応 電子契約と電子署名法 デジタルトラスト法の制定に向けて ビジネス法務学の本領
|