阪神・淡路大震災から私たちは何を学んだか
被災者支援の30年と未来の防災
はじめに
第1章 なぜ「大震災」になったのか ──「失敗」から振り返る阪神・淡路大震災(1995年) 1 なぜ大震災になったのか 2 想定に基づく防災計画の落とし穴 3 災害発生直後、地方自治体はどう対応したか 4 誰が被災者を救助したのか 5 避難所は誰が運営すべきか 6 助かった命を守り生活を再建する 7 想定外に備える減災復興政策 8 災害の知見を活かした専門人材の育成 9 支援を活かす仕組みづくり
第2章 国は被災者をどう支援するのか ──トルコのマルマラ地震(1999年)とカフラマンマラシュ地震(2023年) 1 被災者支援における国の役割 2 被災者支援システムは国によってどう違うか 3 1999年マルマラ地震 4 災害対策を機能させるためのシステムの大改革 5 組織間連携を重視した災害対応体制 6 災害対策システム改革は機能したのか(2023年カフラマンマラシュ地震) 7 日本における国の役割を考える
第3章 支援がもたらした「第二の津波」とは何か ──備えなきインド洋津波災害(2004年)の混乱 1 全く想定されていなかった大地震津波災害 2 内戦と大震災に揺れたアチェ 3 復興体制の構築に向けて 4 実現されなかった防災ハードウェアの整備 5 減災のためのソフトウェアの整備 6 「クラスター」制度の誕生 7 より良い復興を目指した人材の育成 8 災害時に国際支援をどのように受け入れるのか
第4章 防災対策の限界をどう乗り越えるか ──東日本大震災(2011年)が伝える津波災害と避難の課題 1 防災対策の限界 2 災害発生直後は目の前の課題に対処することで精一杯 3 組織間連携のための「状況判断」が命を救った 4 人々はどんな情報をもとに、どこへ避難したか 5 なぜ避難しなかったのか 6 避難所での物資配布では誰が優先されるのか 7 行政だけが支援者ではない──地域リーダーの育成 8 「拡張型」業務にどう対応するのか
第5章 「いつも」と「もしも」をつなぐ未来の防災 ──能登半島地震(2024年)から考える課題と提言 1 多様化する支援の担い手 2 能登半島地震における支援の課題 3 地方自治体偏重の災害対応体制からの脱却へ 4 フェーズフリーな社会を目指して
附録 災害支援のためのガイド あとがき 参考文献
|