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目次
宮本常一 〈抵抗〉の民俗学
四六判/上製/420頁
初版年月日:2023/09/05
ISBN:
978-4-7664-2903-9
 
(4-7664-2903-6)
Cコード:C3039
税込価格:3,300円
宮本常一 〈抵抗〉の民俗学
地方からの叛逆

目次

序 章 島の遅れと文化運動
1 はじめに
2 発展史観と離島
3 方法と視点
4 文化運動と「抵抗」の民俗学
5 本書の構成

第1章 島をめぐるまなざし——学術・観光・地元
1 島を出ること、残ること
2 島へのまなざし
3 地元を生きる自己
4 残る側の視点から

第2章 民俗学と「文化工作」のあいだ——宮本常一イントロダクション
1 はじめに
2 実践家としての来歴
3 佐渡の宮本常一
4 宮本常一研究の現状
5 地域への「介入」

第3章 「離島性」の克服——地域開発をめぐる宮本常一の思想的変遷
1 国土開発の民俗学へ
2 道路建設と資本主義
3 島の自立と観光批判
4 実践性をめぐる評価
5 関係性の美学と文化運動の閉塞

第4章 速度と身体性——フィールドワークの移動手段と見える世界の拡張
1 オートモビリティと現実の拡張
2 旅と移動身体
3 速度の人類学
4 宮本常一の身体性
5 速度とパノラマ的眺望
6 徒歩と輸送

第5章 博物館と住民参加――「佐渡國小木民俗博物館」にみるローカルな文化運動
1 近代化から内発的発展へ
2 運動拠点としての学校
3 小木民俗博物館
4 宮本常一の博物館指導
5 運動における「主体性」

第6章 鬼太鼓座と幻の大学構想——日本海からの叛逆
1 「地方に大学を作る」
2 鬼太鼓座と「大学」構想
3 日本海大学講座
4 島からのリアクション
5 拠点主義と若衆宿
6 都市のまなざしの壁
7 社会開発論と大学構想
8 抵抗の時代性

第7章 自前の生活——佐渡空港建設をめぐるデモ・水・自己決定
1 借り物の思想と自前の思想
2 政治の季節と民俗学
3 佐渡新空港建設反対運動
4 なぜ住民は反対をしたのか
5 運動が終わるとき

第8章 三里塚から佐渡へ——ある運動家における民俗学的実践と〈父〉
1 島を離れて
2 三里塚にて
3 佐渡で生きる
4 社会運動と民俗学
5 生きるための民俗学

第9章 モノを介したソーシャルデザイン——美大教員としての宮本常一と民家調査
1 産業調査とエスノグラフィ
2 ランドスケープと町並み保存
3 モノを介した地域調査
4 エンパワーメントとしての調査
5 工学的発想と文化運動
6 民俗学の文化財学化

結 論
1 それぞれの近代
2 英雄史観を越えて
3 ヘゲモニーとの距離
4 宮本常一の「敗北」、および抵抗の民俗学のゆくえ


あとがき
参考文献
索引
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