国際組織犯罪対策における刑事規制
処罰の早期化・犯罪収益規制とイギリス比較法

はしがき
序章 本書の検討課題 一 はじめに (一) 国際組織犯罪対策における刑事規制 (二) 本書の検討課題 (三) イギリスを比較法の対象とする意義 二 本書の概要と位置づけ (一) 本書の概要 (二) 本書と先行研究との関係
第T部 処罰の早期化 第1章 イギリスにおける未完成犯罪の概観 一 総説 二 共謀罪 三 未遂罪 (一) 概説 (二) 要件 (三) 処罰 (四) 議論状況 四 2007年重大犯罪法の定める幇助および奨励の罪 (一) 概説 (二) 要件 (三) 処罰 (四) 議論状況 五 コモン・ロー上の独立教唆罪 (一) 概説 (二) 要件 (三) 処罰 (四) 議論状況 六 本章のまとめ
第2章 イギリスにおけるコモン・ロー上の独立教唆罪の検討 一 はじめに 二 コモン・ロー上の独立教唆罪 (一) 総説 (二) 客観的要件(actus reus) (三) 主観的要件(mens rea) (四) 1989 年刑法典草案 三 検討 (一) 法律委員会第300 号報告書による指摘 (二) コモン・ロー上の独立教唆罪と他の未完成犯罪の類型との関係 (三) 小括 四 本章のまとめ
第3章 イギリスにおける制定法上の共謀罪の検討 一 はじめに 二 イギリスにおける制定法上の共謀罪 (一) 総説 (二) 1977年刑事法律法制定以前の共謀罪 (三) 1977 年刑事法律法制定以後の共謀罪 三 1977 年刑事法律法の制定過程 (一) 総説 (二) 法律委員会第76 号報告書の概要 (三) 学説による批判 (四) 小括 四 検討 (一) 制定法上の共謀罪と他の未完成犯罪の類型との関係 (二) 共謀罪の処罰根拠 (三) 共謀罪とテロ対策 (四) 合意段階で共謀罪が成立することの意義と処罰の実態 (五) 共謀罪と実体犯罪の関係 (六) 合意後の離脱と共謀罪の成否 五 本章のまとめ
第4章 イギリスにおけるコモン・ロー上の共謀罪の検討 一 はじめに (一) イギリスにおけるコモン・ロー上の共謀罪を論じる意義 (二) 検討の手順 二 コモン・ロー上の共謀罪をめぐる議論状況 (一) 概説 (二) 1977 年刑事法律法制定以前の共謀罪 (三) 法律委員会第76 号報告書における検討 三 コモン・ロー上の犯罪としての詐欺の共謀罪 (一) 概説 (二) 2006年詐欺罪法との関係 (三) 詐欺の共謀罪の要件 (四) 詐欺の共謀罪をめぐる議論状況 四 本章のまとめ
第5章 いわゆる「外国人テロ戦闘員(FTF)」問題の刑事規制の検討――国連安保理決議第2178号の課す犯罪化義務とテロ等準備罪をめぐって 一 問題の所在 (一) 外国人テロ戦闘員(FTF) (二) 国連安保理決議第2178号 二 国連安保理決議第2178号の課す犯罪化義務 (一) 国連安保理決議の法的拘束力 (二) 犯罪化義務 三 私戦予備・陰謀罪およびテロ資金提供処罰法上の罪による対応 (一) 総説――国会における議論 (二) (a)渡航禁止類型 (三) (b)渡航資金提供禁止類型 (四) (c)渡航に対する便宜供与等の禁止類型 (五) 小括 四 テロ等準備罪新設以後の刑事規制 (一) 総説 (二) テロ等準備罪新設の意義 (三) 刑事規制の課題 五 本章のまとめ
第6章 早期処罰に係る日本法の現状と課題 一 はじめに 二 日本法の現状 (一) 独立教唆 (二) 独立幇助 (三) 予備 (四) 陰謀・共謀 (五) テロ等準備罪 三 日本法の課題 (一) イギリス法からみたテロ等準備罪 (二) 総括
第U部 犯罪収益規制と組織的犯罪処罰法2017年改正 第1章 改正組織的犯罪処罰法における「犯罪収益」概念とその前提犯罪に関する検討 一 はじめに 二 問題の所在 三 組織的犯罪処罰法2017年改正の概要 (一) 総説 (二) 組織的犯罪処罰法2条2項1号に係る改正の概要 (三) 国際組織犯罪防止条約との関係 四 検討 (一) 総説 (二) 組織的犯罪処罰法2条2項1号の要件 (三) 過失犯と犯罪収益 (四) 過失犯と「財産上の不正な利益を得る目的」要件との関係 (五) 小括と若干の検討 五 本章のまとめ
第2章 組織的犯罪処罰法における「犯罪収益」概念について――テロ等準備罪新設に係る2条2項5号の検討 一 はじめに 二 問題の所在 三 国際組織犯罪防止条約との関係 (一) 総説 (二) 2017年改正前の組織的犯罪処罰法における犯罪収益規制 (三) 国際組織犯罪防止条約の規定する犯罪化義務 (四) 法制審議会における議論 (五) 小括 四 最高裁平成15年判決との関係 (一) 総説 (二) 事案の概要 (三) 裁判所の判断 (四) 小括 五 検討 (一) 組織的犯罪処罰法2条2項1号と同5号の関係 (二) 5号類型に固有の領域 (三) 5号類型新設の意義 六 本章のまとめ
第3章 イギリスにおける刑事没収と共謀罪の関係についての検討 一 はじめに (一) 犯罪収益規制と早期処罰の交錯領域 (二) 刑罰的性格を有しない犯罪収益はく奪制度 (三) 問題の所在 二 イギリスにおける犯罪収益規制と刑事没収 (一) 総説 (二) 刑事没収(Criminal Confiscation)と没収(forfeiture) (三) 2002 年犯罪収益法制定に至る経緯 三 2002年犯罪収益法上の刑事没収 (一) 総説 (二) 犯罪生活(criminal lifestyle) (三) 犯罪行為(criminal conduct)による利益(benefit) (四) 回復可能額(recoverable amount)の算定 (五) 入手可能額(available amount)の算定 (六) 没収命令(confiscation order) (七) 小括 四 犯罪生活の推定規定 (一) 刑事没収の趣旨との関係 (二) 欧州人権保護条約との関係 (三) 共謀罪との関係 五 刑事没収をめぐる最近の動向 (一) 運用面での課題 (二) 2002 年犯罪収益法改正に向けた検討 六 本章のまとめ
第4章 イギリスにおける民事回復の検討 一 はじめに (一) 本章の概要 (二) 有罪判決を前提としない犯罪収益はく奪制度の意義 二 民事回復(Civil Recovery)制度の概要 (一) 総説 (二) 民事回復の対象 (三) 民事回復手続の流れ (四) 回復可能財産の範囲 三 検討 四 本章のまとめ
結章 一 各章の小括 二 総括
あとがき
文献一覧 初出一覧
判例索引 事項索引
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