談合・価格協定事件の経済分析
裁判例を用いた「法と経済学」の実証研究

はじめに
第1章 問題の所在 ──自由と正義 1 目的と背景 2 経済事件と法 3 経済紛争が起こる基本的諸要因 4 厚生経済学の基本定理とコースの定理 5 実証分析の方法 6 本書の構成
第2章 法と経済学の実証分析とその哲学的基礎 1 はじめに 2 経済の実証分析 3 経済の実証分析に関する2つの分析例 4 経済の実証分析による結果と規範分析による望ましい政策の間のギャップ 5 法と経済学の実証分析:判例をベースにした実証分析 6 おわりに
コラム1:個人と社会
第3章 石油製品価格協定刑事事件と損害賠償請求事件 ──計量経済分析の応用 1 はじめに 2 審決と判決 3 一連の判決に関する論争 4 統計的方法による検討 5 おわりに
コラム2:取引と市場 コラム3:モデルと条文
第4章 水道メーター談合事件と損害賠償請求事件 ──契約形態の変化と落札価格の変動 1 はじめに 2 水道メーター談合事件 3 損害賠償請求事件 4 談合事件と損害賠償請求事件の考察 5 シミュレーション分析 6 おわりに
第5章 官製談合事件 ──防衛庁調達実施本部と北海道開発庁のケース 1 はじめに 2 防衛庁調達実施本部談合事件 3 北海道開発庁談合事件 4 おわりに
コラム4:意思と結果
第6章 ストーカ炉談合事件と損害賠償事件 ──地方自治体間の予定価格の散らばりと高い落札率 1 はじめに 2 ストーカ炉入札談合事件 3 データ分析 4 アウトサイダー、落札率、予定価格に係る考察 5 経済分析 6 本件に係る損害賠償請求事件 7 おわりに
第7章 多摩地区入札談合事件(1) ──落札価格が2極化した事件 1 はじめに 2 多摩地区入札談合事件 3 総合的な考察 4 本章のまとめ
第8章 多摩地区入札談合事件(2) ──住民と地方公共団体による損害賠償事件 1 はじめに 2 多摩地区入札談合事件──損害賠償請求事件 3 おわりに
第9章 東京都下水道ポンプ設備談合事件 ──予定価格入札前公表による応札行動の変化 1 はじめに 2 東京都下水道ポンプ設備工事談合事件 3 計量経済分析──談合と高い落札率の関係 4 検討する3つの事件とその基礎データ 5 3つの事件に関する計量経済分析 ──ロジットモデルとプロビットモデル 6 おわりに
第10章 法と経済学の実証分析に基礎をおいた政策論 1 はじめに 2 実証分析の結果と規範分析による政策のギャップ 3 ウェーバーの社会科学と社会政策に係る主張とミュルダールの価値前提 4 法と経済学の実証分析結果の利用の仕方 5 6つの談合事件に係る政策論 6 マクロ経済政策の法的基礎 7 経済格差、強者の論理について
参考文献 あとがき 索引
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