国家・メディア・コミュニティ

はじめに
第一章 マス・コミュニケーションと近代国民国家 一 国家と国民的アイデンティティ 二 マス・コミュニケーションの発展と国民国家の形成 1 「権威主義」体制の時代 2 「国民」と「市民」、そして「公共圏」 3 マス・メディアの国民化と自由主義理論の変化 4 「社会帝国主義」とマルクス・レーニン主義 5 政治多元主義と国民国家のナショナリズム 三 大衆国家と宣伝・キャンペーン 1 大衆社会、そして大衆国家 2 戦争報道と動員されるメディア 3 ラジオの普及と制度化 4 大衆国家によるマス・メディアの活用 四 テレビ時代における国家観の多様化と変容 1 テレビ時代の始まりと放送制度 2 「コミュニケーション発展(Communication and Development)」モデル 3 国家論の「復権」とマス・コミュニケーション 五 結び――グローバリゼーションとメディア変容――
第二章 情報社会論再考――グローバリゼーションとの関連を中心に―― 一 はじめに 二 情報社会論の始まりと普及 1 マルクス主義と情報社会論 2 情報社会論の諸相 三 革命、あるいは再生産? 1 情報社会論とそれに対する批判 2 「情報化」の二つのとらえ方 四 情報化の進展とグローバリゼーション、そして「歴史の終わり」 1 グローバリゼーションと情報社会論 2 「歴史の終わり」と新自由主義 3 情報化の進展と新自由主義 4 「第三の道」の提唱 五 デジタル・ディバイド論、そして「帝国」論 六 結 び
第三章 情報化の進展とコミュニティ(論)の変容――国民国家との関連から―― 一 はじめに――コミュニティとは何か―― 二 コミュニティと国民国家 1 マッキーヴァーのコミュニティ論 2 コミュニティとしての国民国家 三 情報化の進展とコミュニティ論の変容 1 政治発展論と政治多元主義論 2 「コミュニケーション発展モデル」の中のコミュニティ 3 コミュニティ(論)の多様化とオーディエンス(論)の変容 四 「想像のコミュニティ(共同体)」としての国民国家 1 国民的アイデンティティと国民文化 2 国民文化の権力的側面 3 「想像の共同体」論のインパクト 4 メディア・イベントと国民の再生産 五 結 び
第四章 多様化・多層化するコミュニティとコミュニティ・メディア 一 はじめに――情報化とグローバリゼーションの進展 二 対抗文化と地域コミュニティ 三 グローバリゼーションの中のコミュニティ――ディアスポラを中心に―― 四 コミュニティの再形成と「コミュニティの結束」 五 コミュニティ・メディアの変容とヴァーチャル・コミュニティ 六 結 び
第五章 戦後日本社会のメディア・ナショナリズム 一 はじめに――メディア・ナショナリズムとは―― 二 メディア・ナショナリズムと「司馬史観」 三 メディア環境の変化とメディア・ナショナリズム 四 戦後日本のナショナリズムの変容 1 ナショナリズムの論じられ方 2 ナショナリズム意識の変容 五 メディアによるナショナリズムの顕在化 六 結び――近年のナショナリズム意識の動向――
第六章 日本のソフト・パワーの「歴史性」と「政治性」 一 日本の「ソフト・パワー=ブランド」戦略 二 日本の自己イメージとソフト・パワー(T)――湾岸戦争以前―― 三 日本の自己イメージとソフト・パワー(U)――一九九〇年代の変容―― 四 日本の自己イメージとソフト・パワー(V)――「同時多発テロ」と小泉「官邸外交」―― 五 安倍外交のディレンマとアジア・ゲートウェイ構想 六 結び――連関する「平和国家」と「政治大国」――
第七章 「物語」としての政治と歴史認識 一 はじめに──言説と文脈―― 二 集合的記憶とニュースの物語 三 「物語」と構築・構成される「歴史」(一)――歴史教科書問題―― 四 「物語」と構築・構成される「歴史」(二)――歴史小説―― 五 「物語」と構築・構成される「歴史」(三)――評論―― 六 結 び
第八章 ジャーナリズムと歴史認識 一 はじめに──公共圏としてのメディア―― 二 『敗戦後論』の歴史認識 三 『永続敗戦論──戦後日本の核心――』の歴史認識 四 結び――公共圏の中のジャーナリズム――
第九章 沖縄地方紙と沖縄の「地方益」 一 はじめに──「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」(二〇一三年四月二八日)をめ ぐって── 二 沖縄地方紙に関する評価 三 沖縄地方紙へのインタビュー結果 1 沖縄地方紙の組織編成とニュースの制作過程 2 社説による社論の提示 3 普天間基地の辺野古移設問題 4 翁長県政と「オール沖縄」 5 「国益」と「地方益」 6 沖縄、沖縄地方紙に対する認識 四 考 察
あとがき 初出一覧
参考文献 巻末4 索 引 巻末1
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