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                  イスラームのアダム
                  人間をめぐるイスラーム神秘主義の源流
 
 序 宗教研究とイスラーム神秘主義一 宗教学はいかにイスラームを理解してきたか
 二 宗教学はイスラームをいかに理解すべきか
 三 スーフィズムからイスラーム神秘主義へ──人間性の探求
 四 イスラーム神秘主義における人間探求と「体験主義」
 五 アダムからみた人間
 
 第T部 クルアーンの内的な意味を求めて──アダム神話とその解釈学的想像力
 
 第一章 解釈学的想像力の場としてのアダム
 一 アダム神話のコンテクスト
 二 クルアーンにおけるアダム神話
 三 ハディースにおけるイスラーム人間論
 
 第二章 アダム神話の追体験──「原初の契約」における始源への帰還
 一 イスラーム神秘主義における神的合一の表象
 二 自己の消滅と神との存続
 三 「無始の永遠」への回帰体験とアダム神話
 四 選良の一性と「原初の契約」
 
 第三章 イスラームの死生観と人間
 一 「原初の契約」における神と人間──創造から終末まで
 二 タバリ―のクルアーン解釈における人間
 三 人間の生と死に関する五つの解釈
 
 第四章 名を与えられたアダム──生と死のはざまで
 一 アダムに授けられた名前──イスラー思想における神名論
 二 クシャイリーの神秘主義における神名論
 三 『美麗なる神名注釈』における「生を与える者」と「死を与える者」
 四 『神の徴しの精巧さ』における生と死
 
 第U部 アダムにならいて──イスラーム神秘主義哲学における人間
 
 第五章 イブン・アラビー学派における存在的流出論の展開
 一 存在の開けと「自己顕現」概念
 二 初期スーフィーたちの「タジャッリー」概念
 三 イブン・アラビーの「タジャッリー」概念
 四 カーシャーニーの「タジャッリー」概念
 五 『霊感の徒が示唆するところを知らしめる精妙さ』における存在顕現論
 
 第六章 霊的権威としての完全人間
 一 『叡智の台座』における霊的権威の位置
 二 霊的権威としての人間
 三 完全人間論におけるムハンマドの形而上学的基礎づけ
 四 聖者性と人間完成への道──預言者の継承者たち
 五 カイサリーの完全人間論におけるカリフ
 六 霊的権威としての聖者
 
 第七章 絶対存在から人間へ──神名の体現者としてのアダム
 一 神名の臨在における「アッラー」
 二 存在の開けにおける慈悲
 三 存在の地平における神と人間
 四 完全人間としてのアダムと神名の臨在
 
 第八章 完全人間論の展開──アダムをめぐる神秘主義的人間学
 一 男/女の解消とイスラーム神秘主義
 二 イブン・アラビーの人間観──完全人間という理念型
 三 完全人間の存在論的顕れ
 四 ムハンマドとアダム──最初の完全人間
 五 人間を創り変える──アダムとイヴのあいだ
 
 結
 
 
 あとがき
 主要参考文献
 注
 人名・著作名索引
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