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漂泊のアーレント 戦場のヨナス
四六判/並製/368頁
初版年月日:2020/07/15
ISBN:
978-4-7664-2678-6
 
(4-7664-2678-9)
Cコード:C0010
税込価格:2,200円
漂泊のアーレント 戦場のヨナス
ふたりの二〇世紀 ふたつの旅路

目次

凡例・文献略号一覧

プロローグ 二〇世紀の破局を超えて
 アーレントとヨナス
 漂泊と戦場
 二人の交錯点――「出生」
 本書の構成


第1章 友情と恋愛のあいだ――誕生から出会いまで 1903〜1933

 アーレント 〇〜二七歳
  幼年期と少女時代
  ユダヤ人としての自覚
  ヨナスとの出会い
  博士論文「アウグスティヌスの愛の概念」
  ナチ前夜の結婚

 ヨナス 〇〜三〇歳
  ヨナスの出生
  読書の世界へ
  シオニズムへの夢
  大学時代――フライブルク・ベルリン・ヴォルフォンビュッテル
  アーレントとの出会い
  古代グノーシス主義の研究


第2章 漂泊と戦場――ナチズムとの対峙 1933〜1945

 アーレント 二七〜三九歳
  ナチス政権の成立
  政治的目覚め
  パリのアーレント
  伝記『ラーエル・ファルンハーゲン』と「自覚的パーリア」
  ブリュッヒャーとの出会いと結婚、そしてギュルス収容所
  新天地アメリカへ

 ヨナス 三〇〜四二歳
  ドイツからの亡命
  ハイデガーへの失望
  エルサレムの日々
  「われわれはこの戦争に参加する」
  ローレとの結婚
  ユダヤ旅団への参加
  戦場の思索


第3章 新たな始まり――それぞれの再出発 1945〜1961

 アーレント 三九〜五五歳
  戦争の終わり、そして二人の恩師との再会
  イスラエル建国への絶望
  全体主義とは何であったのか
  新たな「始まり」への希望
  『人間の条件』における「始まり/出生」論

 ヨナス 四二〜五八歳
  母の死
  「人間を信じるということが必要だった」
  パレスチナからカナダへ
  「私には小さな子どもがいる」
  ニューヨークへ、そしてアーレントとの再会


第4章 亀裂――アイヒマン論争 1961〜1964

 アーレント 五五〜五八歳
  「悪の凡庸さ」についての考察
  アイヒマン論争
  ショーレムの怒り
  語り口の問題
  アーレントからの応答
  あえて裁くこと

 ヨナス 五八〜六一歳
  アイヒマン裁判への態度
  アーレントへの手紙
  「誇りをもって身につけよ、この黄色い星を!」
  決裂と和解


第5章 精神の生活、生命の哲学――方向転換の季節 1964〜1975

 アーレント 五八〜六九歳
  〈活動的生活〉から〈精神の生活〉へ
  一者のなかの二者
  晩年のアーレント

 ヨナス 六一〜七二歳
  「死の存在論」
  ハイデガーとニヒリズム
  哲学的生命論の戦略
  生命における死と実存
  人間の自由と想像力
  不死性の神話
  ヨナスの生命とアーレントの生命


第6章 最後の対話――テクノロジーへの問い 1975〜1993

 アーレント 死去後
  「究極的なもの」をめぐって
  超越性と内在性
  科学技術をめぐる対話
  見ることと聞くこと

 ヨナス 七二〜九〇歳
  「世界はずっと冷たくなってしまった」
  晩年のアーレントからの影響
  科学技術文明への問い
  「未来への責任」という難問
  『責任という原理』
  責任と「出生」
  「神があなたと一緒に作ろうとした本」
  哲学者であり、同時に、ユダヤ人である

 補論 歴史をめぐるアーレントとヨナスの対話
  コンスタンツ大学哲学文書館
  一九六九年のアーレントとヨナス
  論文「流転と静止――歴史の理解可能性の根拠について」
  アーレントからの批評
  『精神の生活』への影響と「魂の交流」


第7章 考察――アーレントとヨナスの比較 20xx

 共鳴と反発――漂泊と戦場がもたらしたもの(百木 漠)
  1 アーレントとヨナスの差異
  2 差異の理由
  3 アーレント出生論の神学的基礎
  4 ヨナス出生論の神学的基礎
  5 ふたりが遺したもの

 自然・対話・想像力――アーレントとヨナスにおけるテクノロジーの問題(戸谷洋志)
  1 着想へ至る経緯
  2 終わりなき進歩と自然性
  3 テクノロジーとしての科学
  4 アーレントにおけるテクノロジーの脅威――公共性の空洞化
  5 ヨナスにおけるテクノロジーの脅威――倫理の空洞化
  6 そして全体主義へ
  7 抵抗としての対話
  8 抵抗としての想像力
  9 ここにいる者とともに、ここにいない者のために
 
エピローグ テクノロジー的全体主義に抗して
 未来に向けて
 現代=近未来
 テクノロジー的全体主義の出現


あとがき
参考文献
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