自然を前にした人間の哲学
古代から近代にかけての12の問いかけ

はじめに 神崎忠昭
I 自然/本質の追究 タレス、あるいは自然哲学の誕生 納富信留
トマス・アクィナスにおける「自然」の理解 ――キリスト両性論を手がかりにして 上枝美典
西洋中世の存在論における「自然」概念の位置づけについて 山内志朗
II 存在の連環のなかで プロティノスにおける自然美 樋笠勝士
宇宙創造の再現としての神働術 ――新プラトン主義的自然神学の哲学的背景 土橋茂樹
「照明学の師」スフラワルディーの自然論から ――『照明の叡智学(哲学)』から第2部第3論考訳注 野元 晋
キトミール考――イスラーム文化圏における犬と人 鎌田 繁
III 星を見つめて 適正な時の把握を目指して ――カロリング朝の文教政策と暦算法(computus)論争 岩波敦子
中世ヨーロッパにおける占星術と世界観 ――ニコル・オレームの事例から 神崎忠昭
IV 近代の「ためらい」 進化論と世界の美的統一について ――ゲーテ自然学の観点から 粂川麻里生
柳宗悦の自然観と絨毯 ――日本における遊牧民絨毯の受容とその背景 鎌田由美子
ロシアにおける自然と人間 ――ソロヴィヨフとフョードロフの観点を中心に 谷 寿美
おわりに 神崎忠昭
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