ヴァイマル文化の芸術と教育
バウハウス・シンボル生成・陶冶
序 章 美的経験・芸術経験と陶冶(人間形成) 1 十八世紀の「陶冶」構想 2 十九世紀ドイツ社会における「陶冶」 3 二十世紀ドイツ社会における「陶冶」と美的経験・芸術経験 4 本書の構成
第一章 ヴァイマル・バウハウスの音楽教師ゲルトルート・グルーノウ ――「アメリカ的なもの」と「インド的なもの」のあいだで 1 グルーノとは誰か 2 「感性調和化論」 3 「新しい人間」の形成をめぐって
第二章 グルーノウ音楽教育の理論的背景 ――「音の響き」と「色彩」の感受としての美的経験 1 声楽教育実践(レムシャイト時代) 2 「感性調和化論」の再構成 3 「共鳴体(Klangkörper)としての身体形成 4 トーヌス理論(Tonustheorie) 5 「シンボル生成」の場――「共鳴体としての身体」 6 「共感覚」としてのシンボル生成
第三章 「シンボルの受胎」としての「共感覚」 ――ハンブルクのグルーノウ、ヴェルナー、カッシーラー 1 狭義の「共感覚」と広義の「共感覚」 2 第一次「共感覚」ブーム 3 なぜ「共感覚」は魅力的だったのか 4 グルーノウとヴェルナーの「共感覚」共同研究 5 カッシーラーとヴェルナー
補論 ハンブルクにおける心理学研究の展開 1 エルンスト・モイマンの時代(一九一一― 一九一五) 2 過渡期の心理学実験室(一九一五― 一九一八) 3 ハンブルク大学草創期(一九一九― 一九二二) 4 一九二二― 一九二五年の研究教育活動状況 5 一九二五年から一九三三年までの心理学研究 6 終わりに
第四章 「あいだの世界」の心理学 ――ヴェルナー心理学を陶冶理論として読む 1 哲学的心理学者ハインツ・ヴェルナー 2 共感覚の実験と理論――事物が「モノ」となるとき 3 言語相貌学――言葉が「モノ」となるとき 4 「あいだの世界」の心理学
第五章 「あいだの世界」の探求者パウル・クレー ――子どもの描画と言語発達への関心からの考察 1 子どもの絵とパウル・クレー 2 「芸術の始源」 3 グスターフ・ハートラウプ 4 「フェーリクス・カレンダー」 5 「あいだの世界」への入り方
第六章 ヴァイマル共和国期美術教育の展開とその思想的背景 ――再現・表現・造形をめぐって 1 先行研究の検討 2 時期区分 3 各時期の美術教育思想 4 「形のバイオ・フィジックス」という造形理論の可能性
第七章 「あいだの世界」の美術教育 ――エルヴィン・ヘックマンの美術教育実践 1 生涯 2 ヘックマンの美術教育実践 3 素材、直観像、ファンタジー 4 ヘックマン美術教育の位置づけ
第八章 モダニズム造形教育の行方 ――ガイストとエーアハルトの美術教育実践 1 フリードリヒ・ガイスト(一九〇一― 一九七八) ――モダニズムとフォルクのあいだで 2 アルフレート・エーアハルト(一九〇一―一九八四) ――モダニズムの芸術教育 3 ガイストとエーアハルトの造形教育論の位置づけ
終 章 モデルネの美的陶冶理論 1 「新しい天使(Angelus Novus) 2 「非人間(Unmensch)」 3 「非人間」の「人間性」 4 「ムネモシュネ・アトラス」と残された課題
あとがき 初出一覧 参考文献 註 索 引
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