バウムガルテンの美学
図像と認識の修辞学

はじめに――バウムガルテン、顔の見えない哲学者
序 論 学問としての美学の誕生――修辞学から美学へ 一 バウムガルテン美学と伝統的修辞学の連続性 二 先行研究における修辞学の扱い 三 学芸体系を改編し、修辞学を鋳直す
第一章 バウムガルテン前史――自由学芸から近代哲学へ 一 過渡期にあった哲学部 二 ヴォルフ――〈技術の哲学〉と〈自由学芸の哲学〉の提言 三 ロイシュ――〈アルスの哲学〉という視点 四 ビルフィンガー――論理学に並ぶ〈下位認識能力の学〉の要請 五 ヴァイゼ、ファブリキウス――修辞学の哲学的転回 第二章 哲学的百科事典のなかの美学――初期思想 一 バウムガルテンの美学思想の形成――生涯と著作 二 詩学、修辞学、記憶術――『詩に関する少なからざることについての哲学的省察』、『形而上学』初版 三 アルスの収集――『形而上学』第二版、『哲学的百科事典の素描』、『一般哲学』 四 認識、記号、自由学芸――哲学の再編
第三章 〈感性的認識の学〉とは何か――定義再考 一 感性的認識の担い手は受動的感性ではない 二 能力論と創作論という解釈の問題――バウムガルテン美学の“二重性”? 三 修辞学からの解釈の試み――〈事柄と言葉〉 四 〈認識論〉としての美学
第四章 規則で美を捉える――基本構造 一 規則の衝突とその解消――存在論における規定 二 例外と完全性――世界論における規定 三 美の規則における例外の許容 四 詩の自由と完全性
第五章 『美学』の体系問題――認識と記号の交叉 一 美学と詩学・修辞学 二 修辞学におけるフィグーラ 三 『美学』におけるフィグーラ概念の一般化――部門とジャンルの拡張 四 思考の美としての修辞的表現
第六章 フィグーラ――修辞学概念の改鋳(一) 一 フィグーラの記号一般への応用 二 絵画論と音楽論におけるフィグーラの応用とバウムガルテンの位置付け 三 絵画への適用例(一)――同義法 四 絵画への適用例(二)――省略法
第七章 アルグーメンタ――修辞学概念の改鋳(二) 一 根拠として認識された表象 二 力の種類に応じた六分法 三 論理的アルグーメンタと美的アルグーメンタの例――例証と帰納法 四 美的アルグーメンタの射程――図像への適用
結論
註 あとがき 資料1〜5 文献表 索引
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