日本のセーフティーネット格差
労働市場の変容と社会保険

序章 日本の労働市場と社会保険制度との関係 1 労働市場の変化を捉える二つの要素 2 わが国の社会保障制度の現状 3 各種の社会保険の概要とその背景 4 所得再分配の実際 【コラム】「雇用の流動化」の諸相
第1章 雇用の流動化が社会保険に突きつける課題@――社会保険料の未納問題 1 「皆保険」なのになぜ未納者がいるのか 2 未納はなぜ問題なのか 3 未納問題の解決策
第2章 雇用の流動化が社会保険に突きつける課題A――雇用保険の受給実態 1 失業保険とは何か 2 雇用保険の仕組み 3 失業者は雇用保険によって救済されているか 4 失業給付は何の役に立っているのか 5 失業保険がもたらすその他の「モラルハザード」 6 雇用保険が抱える課題 【コラム】雇用保険料と雇用保険財政
第3章 セーフティーネットとしての両立支援策 1 仕事と育児の両立の現状 2 誰に子どもを預けているのか 3 保育園問題の現在 4 育児休業 5 本当に必要な両立支援策 【コラム】なぜ少子化対策が必要なのか
第4章 高齢者の就業と社会保険 1 高齢者の就業を促進する政策 2 就業者の高齢化の「コスト」――労働災害 3 労災保険のあり方 4 高齢者の就業に影響を与える家族要因 【コラム】雇用形態や業種と労災保険 【コラム】「肩車型社会」と高齢者の定義
第5章 社会保険料の「事業主負担」の本当のコスト 1 事業主が負担する社会保険料 2 「事業主負担」に対する経済学の考え方 3 事業主負担の転嫁の実際 4 事業主負担の帰着を把握することはなぜ重要なのか
第6章 若年層のセーフティーネットを考える――就労支援はセーフティーネットになり得るか 1 若年層の失業 2 烙印効果の検証 3 就労支援の問題 4 日本における若年雇用対策のあり方 【コラム】なぜ不況時に平均勤続年数が延びるのか
第7章 政策のあり方をめぐって――EBPM は社会保障政策にとって有効か 1 経済政策とEBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング) 2 「複数のエビデンス」という問題 3 政策決定過程とエビデンス 4 社会保障政策のどの部分にエビデンスが活かされるべきか
終章 セーフティーネット機能を維持するために
あとがき 初出一覧 参考文献
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