ルードルフ・オットー 宗教学の原点

はじめに
序 章 宗教学の誕生―― 十九世紀ドイツの神学と宗教学 1 宗教学の誕生 2 近代宗教学の成立とオットー宗教論 3 オットー宗教論の受容と展開
第一章 キリスト教神学者としての生涯 1 オットーの生涯――伝統からリベラルへ 2 「キリスト教神学」としての宗教研究 3 「神学」の語に込められた意味
第二章 東洋への旅――原点としてのインド 1 オットーと旅 2 東洋への旅におけるインド体験 3 オットーのインド宗教研究 4 キリスト教神学研究とインド宗教思想研究 5 日本訪問――禅の思想との出会い 6 東洋への旅の意義
第三章 「聖なるもの」の比較宗教論 1 キリスト教神学における比較宗教的な視座 2 『聖なるもの』の特徴 3 オットー宗教論における『聖なるもの』の位置 4 「聖なるもの」がもつ非合理的な要素と合理的な要素 5 非合理的な余剰としての「ヌミノーゼ」 6 「聖なるもの」のアプリオリ的な範疇と図式化
第四章 宗教史学派の影響と宗教の展開性 1 宗教史的視座の独自性 2 宗教史研究の特徴 3 宗教史研究とインド 4 宗教史的視座の課題
第五章 東洋と西洋の宗教における平行性 1 宗教概念としての「神秘主義」とその研究 2 神秘主義研究の背景 3 東洋と西洋の神秘主義――シャンカラとエックハルト 4 「東は西、西は東」
第六章 「絶対他者」の概念とヒンドゥー教 1 宗教の展開における「平行性」理論 2 「絶対他者」の概念とインド宗教思想 3 近代西洋の宗教概念とヒンドゥー教のリアリティ 4 深みの体験とその解釈 5 「絶対他者」と宗教的コンテクスト
第七章 救済の思想としてのヴェーダーンタ哲学 1 世界宗教史の枠組み――東洋と西洋の宗教における展開 2 ヴェーダーンタ哲学における神秘主義的経験 3 シャンカラの哲学へのパースペクティブ 4 救済論としてのヴェーダーンタ哲学
第八章 新たな宗教理解へ向けて 1 宗教の理解に向けて――現代宗教学の研究動向 2 「聖」の概念とその意味 3 宗教史における展開の平行性 4 聖の意味次元とその重層性――「イデオグラム」を媒介として
結論 オットーの三つの顔
注 あとがき 参考文献
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