5人目の旅人たち
「水曜どうでしょう」と藩士コミュニティの研究
長い長いまえがき 自己紹介と東日本大震災と番組/この本で解こうとしている問い/研究の方法
第一章 「水曜どうでしょう」とはどんな番組か 不思議な番組「水曜どうでしょう」/番組の概要/番組と番組掲示板/レギュラー放送時の 社会背景/ビジネスとしての番組の大成功/熱烈なファン「藩士」/北海道物産展にて
第二章 メディアと「藩士」 その1――テレビのレギュラー放送からDVDへ ファンの共通点/何度も見ないとわからない/同期型のテレビと疑似同期のTwitter/共感 の共有の重要性/身体性の高いものは繰り返し見られる/マスメディアの「リレーションシッ プマーケティング」
第三章 メディアと「藩士」 その2――番組掲示板の役割 番組HPのスタッフルームと番組掲示板/嬉野さんとSHARPさん/番組掲示板でのお悩み 相談/番組掲示板でのマーケティング――関係性を深める/掲示板でのコミットメント/ 道内と道外のファンの違いとメディア/道民にとっての番組/キー局でのSNS利用の 試み/DVD化と掲示板でのコミュニケーション
第四章 なぜファンは引き込まれるのか――身体性、声、臨場感 番組のリズムやテンポ――編集の重要性/藤村Dの声/声と番組への没入感/画角によ る没入感と臨場感/視覚誘導性自己運動感覚(ベクション)/一人称RPG「水曜どうでしょ う」/画角と笑い/認知負荷が低い理由/自伝的記憶?
第五章 「番組で癒される」――レジリエンス効果のメカニズム 番組を見て元気になる/クライシスからの回復1(AIさん@愛知県、四十代女性)/ クライシスからの回復2(NIさん@大分県、三十代女性)/クライシスからの回復3(MMさん @埼玉県、四十代男性)/「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しい」――感情末梢起源 説/不安感の解消についての実験/疲れない笑いと集中して見られる媒体/鬱状態でも見 られる「表現」/番組視聴による学習効果
第六章 番組の思想 番組内の水平性――四人部屋の思想/番組外の水平性――視聴者と制作者の関係/ テレビの世界と視聴者の日常世界が水平につながる/日常性/安心感
第七章 ファンコミュニティの現在 番組のファンの広がり/言語を共有するコミュニティ/ファンコミュニティと「つながる」/ 番組世界に入り込みたい/「人を支える」番組/番組と一緒に自分の人生を振り返る
終 章 コミュニケーションと信頼 テレビはどこへ行くのか/レジリエンスと笑い/コミュニケーションと信頼/個人としてコミュ ニケーションする
引用文献 参加したイベント・話を伺った方と謝辞 付表・付図(年表)
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