大槻文彦『言海』
辞書と日本の近代
凡例
序 なんのための辞書 国会と辞書 辞書と語義――『一九八四年』的世界のなかで 文明国標準としての辞書 『言海』刊行の祝辞から 藩閥を越える可能性――辞書の近代 新世代と辞書――上田万年の場合 「読み物」としての『言海』 辞書は読まれたのか 『言海』と資料について
T 大槻文彦とその時代 大槻文彦とはだれか 幕末に生きたということ 大槻文彦自伝 地誌著述の意味 大槻文彦のナショナリズム 旧臣としての臣民 地誌から文法へ――弱肉強食の世界のなかで 国語と民族と独立と 文部省『百科全書』「言語篇」の翻訳――「言語」の問題 日本語と諸言語の位置――「万国言語の共進会」論にみる言語の優劣 『日本小史』にみる文明史観 上田万年の剽窃――Chambersの「Language」と大槻文彦の「言語篇」 文典研究の展開――『支那文典』・文法会 『言海』と「語法指南」の需要 大槻文彦の著述傾向 近代日本語の確立へ――国語調査委員会などへの参加 文学博士号授与について 博士会の学位 『大言海』へ――『大言海 文献集』などから 語源へのこだわり 語源という問題――実用性と国語の純粋性と 大槻文彦、逝く 明治百傑となった大槻文彦
U 『言海』のめざしたもの 辞書と字引と字典と辞典と 新しい「辞書」 『言海』とはなにか 近代的普通語辞書 「普通語」とはなにか 「普通」という暴力――青田節『方言改良論』から 日本辞書とは――日本語を日本語で説明すること 外来語・和語・漢語およびその表記 五十音排列という新秩序 語法指南(日本文典摘録) 「ことばのうみ の おくがき」
V 『言海』からみる世界 表象空間のなかの『言海』 「言海システム」――網羅と排除 網羅と規範化 文語文典から口語文典へ 同化と口語 松下大三郎の口語研究 はなしことばの一定のために――「です」への嫌悪から 『口語法』『口語法別記』へ 曖昧な同化 風儀としての殉死 同文という問題 かなづかい表音化の主張 宣伝のなかの『言海』 日露戦争と『言海』縮刷版 旅順攻囲戦と『言海』 日露講和と『言海』 「売れた書物」・時代に寄りそう辞書 賞品としての『言海』 辞書は国家がつくるものなのか
参考文献
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