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目次
毒と薬の文化史
A5判/並製/176頁
初版年月日:2017/11/10
ISBN:
978-4-7664-2479-9
 
(4-7664-2479-4)
Cコード:C0020
税込価格:2,640円
毒と薬の文化史
サプリメント・医薬品から危険ドラッグまで

目次

 はじめに

第1章 最近起きた毒や薬にまつわる事件と事故
――毒や薬の本質――
 1.1 戦争と毒と薬
  1.1.1 戦争と毒ガスの使用
 1.2 保険金殺人事件
  1.2.1 トリカブト殺人事件
  1.2.2 本庄保険金殺人事件
  1.2.3 和歌山毒カレー事件と砒素ひそにまつわる事件
  1.2.4 昏睡強盗
 1.3 スポーツとオリンピックとドーピング事件
  1.3.1 ドーピングの語源と歴史
  1.3.2 危険な薬物とドーピング
  1.3.3 オリンピックとドーピング
  1.3.4 ドーピングとWADA
  1.3.5 テニスプレイヤーのシャラポアとメルドミウム
  1.3.6 競馬におけるドーピング
 1.4 麻薬・大麻・覚醒剤・向精神薬などにまつわる事件と事故
  1.4.1 マイケル・ジャクソンの死
  1.4.2 リタリン大量処方事件
 1.5 危険ドラッグによる事件や事故
  1.5.1 危険ドラッグにまつわる事件や事故
  1.5.2 必要となる法律などの整備
 1.6 思いがけない毒
  1.6.1 日常生活に潜む毒
  1.6.2 まぜるな危険
  1.6.3 身近な有毒動植物
  1.6.4 アナフィラキシーショック
  1.6.5 世界最強の毒

第2章 毒や薬にまつわる歴史 ――ヒトと毒や薬との遭遇――
 2.1 人類の誕生と古代社会における毒や薬
  2.1.1 クレオパトラとソクラテス
  2.1.2 古代ローマ人と酢酸鉛
  2.1.3 神明裁判
  2.1.4 ケシや大麻と人類
  2.1.5 煉丹術
  2.1.6 わが国の毒と薬の黎明期
  2.1.7 ベニバナの渡来
  2.1.8 園芸植物と薬用植物
  2.1.9 万葉集と薬用植物
  2.1.10 天平の毒と薬
  2.1.11 薬師如来とくすり
  2.1.12 薬子の変
  2.1.13 世界五大矢毒文化圏
 2.2 中世暗黒期における毒や薬
  2.2.1 ナス科植物とアトロピン
  2.2.2 カンタレア
  2.2.3 お茶とコショウとトウガラシ
  2.2.4 タバコのわが国への伝来
  2.2.5 忍者の毒
 2.3 近世大航海期における毒や薬
  2.3.1 ラボアジェ、ヴェーラー、リービッヒ
  2.3.2 ケンペル,チュンベルグ,シーボルト
 2.4 近代細菌学勃興期における毒や薬
  2.4.1 ロベルト・コッホ
  2.4.2 アスピリンとヘロイン
  2.4.3 エフェドリンと覚醒剤
  2.4.4 LSD
  2.4.5 わが国明治期の科学者の活躍
 2.5 現代抗生物質時代における毒や薬
  2.5.1 レセルピンの発見
  2.5.2 各種の抗生物質の発見と病気との闘い
  2.5.3 合成大麻から危険ドラッグへ

第3章 薬はなぜ時として危険なのか ――薬毒同源――
 3.1 薬毒同源
  3.1.1 トリカブトと漢方処方用薬
  3.1.2 ヒガンバナとアルツハイマー型認知症
  3.1.3 アトロピンが得られる毒草と人類
  3.1.4 ヒトを夢中にさせる酒・タバコ・茶・チョコレート
  3.1.5 笑気ガスと麻酔
  3.1.6 THCとムリサイド
  3.1.7 薬を服用しなかったがゆえの危険性
 3.2 健康オタクとサプリメント
  3.2.1 唐の歴代皇帝と水銀化合物
  3.2.2 徳川家康と伊達政宗
  3.2.3 ビタミンAの過剰摂取
  3.2.4 これからの毒と薬との付き合い
 3.3 ダイエットの呪縛
  3.3.1 中国から輸入された偽漢方薬
  3.3.2 ちまたの情報をよく確認すること
  3.3.3 タバコとニコチン
  3.3.4 ダイエットの害:糖摂取をやめることを推奨した人が急死
 3.4 薬物の代謝と解毒
  3.4.1 アドレナリンとエピネフリン
  3.4.2 解毒剤
  3.4.3 BBBと胎盤
  3.4.4 脳内神経伝達物質と薬物

第4章 医薬品の開発・製造から流通まで 
――薬の開発とその使い方の難しさ――
 4.1 医薬品と薬屋の種類
  4.1.1 医薬品というもの
  4.1.2 民間薬と漢方薬
  4.1.3 OTCとスイッチOTC
  4.1.4 セルフメディケーションとOTC薬の活用
  4.1.5 いわゆる薬屋さんの分類と扱う薬の分類
 4.2 医薬品の開発と製造
  4.2.1 医薬品の開発
  4.2.2 ドラッグリポジショニング
  4.2.3 ある女性ホルモン剤の失敗
  4.2.4 イヴェルメクチンの奇跡
  4.2.5 抗生物質開発のメリット
  4.2.6 カイニンソウよりカイニン酸の発見
  4.2.7 バルビツール酸
  4.2.8 薬の開発にあたる人たち
  4.2.9 薬用植物の栽培と研究
 4.3 医薬品の恐ろしさ
  4.3.1 一般の人は本質を知り得ない
  4.3.2 テオフィリンやアスピリンと子供たち
  4.3.3 サリドマイド
 4.4 健康食品と医薬品の間
  4.4.1 賞味期限と消費期限
  4.4.2 フェオフォルバイドa

第5章 日本の薬学と薬剤師の役割 
――はらむ問題点と展望――
 5.1 日本の薬学の誕生とその歴史
  5.1.1 日本の薬学と薬剤師教育
  5.1.2 私の薬学進学理由とその結果
  5.1.3 猫も杓子も
  5.1.4 かつての勘ちがいと薬学の悲劇
  5.1.5 薬機法
  5.1.6 薬系大学における研究と教育の迷走
  5.1.7 薬史学の必要性
  5.1.8 6年制化を裏切った旧帝国大学
  5.1.9 薬剤師教育6年制化の効果
 5.2 薬学・薬剤師と医学・医師との関係
  5.2.1 わが国の薬剤師が置かれた立場
  5.2.2 病院や診療所の薬局というのはおかしい表現である
  5.2.3 薬剤師と登録販売者
  5.2.4 チーム医療という幻想
  5.2.5 ある実習教育で疑問に思ったこと
  5.2.6 医療薬学に疑問をいだいた日
  5.2.7 薬剤師とバイタルサイン
  5.2.8 薬剤師としての矜持をもとう
  5.2.9 薬剤師養成への誤解
  5.2.10 漢方に対して薬学はどういう立ち位置をとるべきか
 5.3 医薬分業の重要性
  5.3.1 薬は不正なものになりやすいものである
  5.3.2 医薬品という商品
  5.3.3 医業と薬業の分離がなされないときの弊害
  5.3.4 医者好きの薬屋嫌い
  5.3.5 非常時の医薬品供給
  5.3.6 門前薬局の弊害
  5.3.7 期限切れ医薬品処理事件
  5.3.8 維持療法という名の依存
  5.3.9 薬剤師のもつ調剤権
  5.3.10 新宿の薬局
  5.3.11 国家試験の問題を見て
  5.3.12 薬剤師の役割
  5.3.13 医薬品と薬剤師
  5.3.14 服薬指導

第6章 麻薬,覚醒剤,大麻,その他の向精神物質
――時としてヒトを惑わす薬物たち――
 6.1 麻薬・覚醒剤・大麻のちがい
  6.1.1 麻薬の「麻」の字
  6.1.2 麻薬という言葉
  6.1.3 薬物にからんで海外で服役している日本人
  6.1.4 日本薬局方と麻薬・覚醒剤
 6.2 麻薬について
  6.2.1 モルヒネとヘロイン
  6.2.2 コカインとリドカインへ
 6.3 覚醒剤について
  6.3.1 わが国で蔓延している覚醒剤
  6.3.2 マオウと麻黄とエフェドリン
  6.3.3 メタンフェタミンとアンフェタミン
  6.3.4 覚醒剤禍
  6.3.5 覚醒剤の作用とその精神的依存性
  6.3.6 覚醒剤を抜く
 6.4 大麻について
  6.4.1 大麻とTHC
  6.4.2 大麻の法規制と大麻容認論
  6.4.3 医療用大麻の実態
 6.5 その他の向精神薬
  6.5.1 ヒキガエルやマジックマッシュルームから得られる向精神物質
  6.5.2 覚醒剤とカートとやせ薬
  6.5.3 覚醒剤とデザイナードラッグ(合成麻薬)
  6.5.4 グリーニー
  6.5.5 γ- ヒドロキシ酪酸と亜硝酸イソブチル

第7章 危険ドラッグの誕生 ――新しい問題――
 7.1 危険ドラッグの誕生
  7.1.1 自分のからだで遊ぶヒトのさが
  7.1.2 危険な薬物と人類との遭遇
  7.1.3 麻薬,覚醒剤,大麻,向精神薬と危険ドラッグの関係
  7.1.4 大麻とカンナビノイド受容体と危険ドラッグ
 7.2 危険ドラッグと私たち
  7.2.1 危険ドラッグの製造と販売
  7.2.2 危険ドラッグの危うさ
  7.2.3 危険ドラッグそのものの危険性はどこにあるのか
  7.2.4 薬物が医薬品となるまでの過程が完全にぬけている
  7.2.5 危険ドラッグの規制


おわりに

参考文献

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