序論　中国の「公共空間」　（小嶋華津子・島田美和）
　�T　台頭する中国と国の強さ
　�U　国家、「公共性」、「社会的連帯」
　�V　中国研究と「公共空間」
　�W　本書の目的と視角
　�X　本書の構成

　　　第�T部　包摂と排除――都市、コミュニティ、福祉

第1章　国家権力と流動人口
――清末民初の乞食管理問題にみる国家権力、管理、「公共空間（圏）」　（衛藤安奈）
　はじめに
　�T　清末の伝統的乞食管理の試み
　�U　清末民初の近代的乞食管理
　おわりに

第2章　慈善団体と国家
――嬰児保護をめぐる「公共性」について　（鄭　浩瀾）
　はじめに
　�T　公共問題としての嬰児遺棄・嬰児殺し
　�U　育嬰堂に対する国家管理の強化
　�V　嬰児保護と「公」
　おわりに

第3章　都市とコモンズ――都市公園の管理と利用　（島田美和）
　はじめに
　�T　北京政府期における都市公園の成立
　�U　公園の管轄権をめぐる中央、地方、地域社会
　�V　公園の管理と利用
　おわりに

第4章　社会国家への模索
――「労働保険条例」の施行と挫折　（小嶋華津子）
　はじめに
　�T　「中華人民共和国労働保険条例」の制定
　�U　「中華人民共和国労働保険条例」の破綻
　おわりに――中国の「社会国家」建設と社会の連帯

　　　第�U部　地域の共同性と公論形成

第5章　郷里空間の統治と暴力
――危機下の農村における共同性の再編と地域自治政権　（山本　真）
　はじめに
　�T　民国時期、河南南西部における治安の悪化と地域自治政権の創設
　�U　自治の内容
　�V　地域主義（分権）と党国体制（集権）との矛盾
　おわりに

第6章　都市コミュニティの建設
――「社区」とコミュニティ　（朱安新・小嶋華津子）
　はじめに
　�T　「単位」制度と月壇地区
　�U　「社区」建設プロジェクトと月壇街道地区
　おわりに

第7章　「協商民主」と地域社会
――協商民主に探る新たな公共性創出の可能性　（中岡まり）
　はじめに
　�T　中国における地域的共同性と「協商民主」
　――「官」と公共性の関係
　�U　基層における「協商民主」の実態
　おわりに

あとがき
索　引