日英経済関係史研究 1860〜1940

序 章 一 日英経済関係史へのアプローチ 二 利用資料について 三 本書の構成
第一章 日英経済関係史 一六〇〇〜一九四一年 一 徳川時代の日英貿易関係 1 外交関係樹立まで(一六〇〇〜一八五四年) 2 日英協約と日英修好通商条約の締結 二 対英「依存」から「パートナー」へ―― 「不平等」条約下の日英経済関係 1 日本における英国企業 (1) 英国系商社・銀行の進出 (2) 英国商社の活動と居留地貿易 (3) 日本における英国商人―― トマス・グラバーとエドワード・ハンター 2 貿易と金融 (1) 日英貿易の動向 (2) 日本の対外経済政策 (3) 英国における日本企業 3 日本の産業化における英国の貢献 (1) 岩倉使節団と御雇外国人 (2) 英国帰りの日本人技術者 4 日本の輸入市場をめぐる日英関係―― 綿糸・綿織物と砂糖 (1) 綿糸・綿織物 (2) 砂糖 5 アジア市場をめぐる日英関係―― 石炭と海運 (1) アジア石炭市場における日英関係 (2) 海運をめぐる日英関係―― P&O汽船との競争と日本郵船ボンベイ航路 6 金本位制の確立と「不平等」条約の終焉 三 協調から競争、対立、そして戦争へ―― 一九〇〇〜一九四一年の日英関係 1 貿易と資本移動 (1) 貿易関係 (2) 資本輸入 (3) 英国の対日投資と技術移転 2 中国をめぐる日英経済関係 (1) 綿糸・綿織物市場と中国民族紡の発展 (2) 航運をめぐる日英関係―― 長江(揚子江)航路と台湾沿岸航路 (3) 中国精糖市場をめぐる競争 (4) 対中国資本投資をめぐる日英関係 3 アジア市場をめぐる日英の貿易摩擦 (1) 綿織物市場をめぐる競争―― 英国、日本、インド (2) 海運業をめぐる日英の経済摩擦 4 対立から戦争へ―― 一九三七〜四一年
第二章 トマス・B・グラバー―― 幕末・維新期の英国商人 はじめに 一 長崎開港とグラバー商会の設立 二 初期のグラバー商会 一八六一〜六三年 三 発展期のグラバー商会 一八六四〜六七年 1 経営規模の拡大―― 商会組織と支店網の拡大 2 艦船および武器取引 3 武器・弾薬類の輸入 4 薩摩藩との関係 5 通貨両替と地金輸入 四 グラバー商会の衰退 一八六八〜七〇年 1 長崎貿易の縮小と兵庫・大阪の開港・開市 2 高島炭鉱の開発 3 グラバー商会の再編 4 ジャーディン・マセソン商会に対する債務 5 オランダ貿易会社の介入 6 グラバー商会の破産 おわりに
第三章 日本石炭産業の発展とアジア石炭市場 はじめに 一 上海石炭市場の構造 二 香港石炭市場の構造 三 シンガポール石炭市場の構造 四 日本石炭産業の発展と石炭輸出 おわりに
第四章 東アジアにおける繊維市場 一八六〇〜一九一四年 はじめに 一 欧米貿易商の輸入取引 二 中国の繊維市場と貿易 1 綿糸・綿織物市場 2 オークション制度 3 綿糸・綿織物取引 4 日本製綿糸・綿布の進出 三 日本の繊維市場と貿易 1 繊維市場と貿易 2 輸入品の取引システム 3 外国商会の輸入取引 おわりに
第五章 一九世紀後半期における東アジア精糖市場の構造 はじめに 一 日本の砂糖市場 二 中華糖局の設立 三 太古糖房の設立と中華糖局 四 一八九〇年代――銀価下落と販売協定 おわりに
第六章 中国におけるスワイア商会 一八六七〜一九一四年 はじめに 一 スワイア商会ロンドン本店 二 バタフィールド・アンド・スワイア商会 三 中国航業会社 四 太古糖房 五 太古船渠会社 六 天津艀船会社 おわりに
第七章 日本糖の中国進出とスワイア商会 一九〇三〜三一年 はじめに 一 中国の砂糖市場 1 中国の砂糖貿易 2 日本糖の中国市場進出 二 日本製糖業の発展と中国市場 1 日本精糖業の発展 2 日本の砂糖貿易の構造 3 第一次大戦期の精糖輸出と中国市場 4 一九二〇年代の精糖輸出と中国市場 三 スワイア商会の市場戦略―― 地方販売代理店制度 四 一九三〇年代におけるスワイア商会の市場戦略 おわりに
第八章 戦間期日本の綿製品輸出と貿易摩擦 はじめに 一 日本綿工業の発展 二 日本の綿糸・綿織物貿易 三 英国の日本綿工業に関する認識の変化 四 インド市場と日印会商・日英会商 1 インド市場と関税 2 日印会商と日英会商 3 日印会商その後 五 蘭領東インドへの進出と日蘭会商 1 日本製品の進出 2 日蘭会商 おわりに
補論 英国商社研究史の動向と課題 はじめに 一 ジャーディン・マセソン商会(怡和洋行) 1 中国研究 2 日本研究 二 スワイア商会とバタフィールド・アンド・スワイア商会(太古洋行) 三 そのほかの英国企業 おわりに
あとがき 初出一覧 参考文献 図表一覧 索引
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