カール・クラウスと危機のオーストリア
世紀末・世界大戦・ファシズム
序 章 オーストリア思想史とクラウス 一 カール・クラウスとその時代 二 二つの文化対立とクラウス思想の一貫性 三 本書の構成
第1章 世紀転換期ウィーンにおける「装飾」批判とその意味 ―― カール・クラウスとアドルフ・ロース 一 はじめに ―― 唯美主義への批判者たち 二 アドルフ・ロースの「装飾」批判 三 カール・クラウスの「装飾」批判 四 おわりに ―― クラウスとロースを隔てるもの
第2章 フリッツ・ヴィッテルスと「二人の精神的父親」 ―― カール・クラウスとジークムント・フロイト 一 はじめに ―― セクシュアリティをめぐる共闘者 二 クラウス=フロイト=ヴィッテルス ―― 三者関係の変化 三 おわりに ―― 三者関係の「その後」
第3章 メディア批判とテクノロマン主義批判 ―― カール・クラウスと第一次世界大戦 一 はじめに ―― 反戦知識人クラウス 二 二人のクラウス? 三 カール・クラウスの第一次世界大戦批判 四 おわりに ―― 近代の「野蛮さ」としての世界大戦
第4章 「オーストリア的中欧」理念と第一次世界大戦 ―― カール・クラウスとハインリヒ・ラマシュ 一 はじめに ―― 保守派の戦争批判 二 カール・クラウスとハインリヒ・ラマシュ 三 クラウスのラマシュ論 四 ハインリヒ・ラマシュとオーストリア保守反戦思想 五 おわりに ―― パトリオティズムと「オーストリア的中欧」
第5章 ナチズムとオーストロ・ファシズム ―― カール・クラウスと二つのファシズム 一 はじめに ―― ドルフス支持表明の衝撃 二 カール・クラウスのナチズム批判 三 カール・クラウスとオーストロ・ファシズム 四 おわりに ―― 早過ぎた死
第6章 言語批判としてのクラウス政治思想 ―― エリック・フェーゲリンのカール・クラウス論 一 はじめに ―― 「イデオロギー言語批判」とリアリティの復活 二 フェーゲリンによるクラウス論 三 おわりに ―― フェーゲリンによるクラウス論の妥当性 終 章 限界と可能性 ―― カール・クラウスの現代的意義
あとがき カール・クラウスとその時代:年表 主要参考文献一覧 索 引 初出一覧・図版出典一覧
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