コミュニケーション研究 第4版
―― 社会の中のメディア

第Ⅰ部 コミュニケーションの構造と機能
第1章 コミュニケーションの基礎概念 1-1.コミュニケーションのとらえ方 (1) 社会過程としてのコミュニケーション (2) コミュニケーションの定義 (3) 意味の共有という問題 1-2.コミュニケーション分析の基本単位 (1) 一方向的なコミュニケーション・モデル (2) 効果分析の重要性 (3) フィードバック概念の導入 (4) マス・コミュニケーションのモデルへの展開 1-3.コミュニケーションの分類 (1) パーソナル・コミュニケーション (2) 中間コミュニケーション (3) マス・コミュニケーション (4) 利用メディアと伝達される情報 1-4.情報行動と情報環境 (1) 情報環境の中での情報行動 (2) 共有される情報環境 (3) コピーの支配と擬似環境の環境化 (4) 擬似環境におけるジャーナリズムの働き 1-5.「現実」の社会的構築・構成 (1) 個人から(情報)環境への働きかけ (2) 「現実」の社会的構築・構成モデル (3) 予期される反応と「現実」の社会的構築・構成 (4) 現実の「意味」の社会的構築・構成 (5) 社会問題とメディア―社会構築主義―
第2章 コミュニケーションと社会構造 2-1.コミュニケーションの機能 (1) 「機能」について (2) コミュニケーションの機能 (3) コミュニケーションの機能とシステムの維持・安定 2-2.コミュニケーション効果・影響の研究 (1) コミュニケーション効果・影響研究の分類基準 (2) ミクロ―非累積的研究:説得研究 (3) ミクロ―累積的研究:社会化研究 (4) マクロ―非累積的研究:世論研究・流言(デマ)研究 (5) マクロ―累積的研究:コミュニケーションと社会変動の研究 2-3.「情報 / コミュニケーション / 社会」の関連図式 (1) 社会過程 / 社会関係 / 社会構造 (2) 第Ⅰ層:情報の発信・伝達 / 交換・受容過程 (3) 第Ⅱ層:社会関係(物理的・文化的情報装置) (4) 第Ⅲ層:社会構造・文化構造
第Ⅱ部 マス・コミュニケーションとジャーナリズム
第3章 近代社会とマス・コミュニケーション 3-1.近代化の進展と近代社会の成立 (1) 近代化の諸傾向 (2) 分化と統合 (3) 近代社会の特徴 (4) グローバリゼーション 3-2.情報環境の拡大と大衆社会の出現 (1) 「市民社会」実現の期待 (2) 大衆社会の脆弱性 (3) パワー・エリート論 3-3.マス・メディアの発達と普及(1)―欧米社会― (1) 「出版資本主義」と国民国家 (2) 大衆紙の登場 (3) ラジオの黄金期 (4) 最強のメディア=テレビ 3-4.マス・メディアの発達と普及(2)―日本社会― (1) 新聞の普及 (2) ラジオの普及 (3) テレビの普及 3-5.マス・コミュニケーションの機能 (1) マス・コミュニケーションの機能と逆機能 (2) マス・メディアの機能分析―テレビを中心に― 3-6.日本社会におけるマス・メディア接触と機能評価 (1) マス・メディア接触の変化 (2) 効用比較から見た機能評価
第4章 マス・コミュニケーションの効果・影響モデルの変遷 4-1.「市民社会」とマス・メディア (1) 市民的「公共圏」 (2) 啓蒙機関としてのマス・メディア (3) マス・メディア批判の視角 4-2.弾丸効果モデル (1) 宣伝研究 (2) パニック研究 (3) キャンペーン研究 4-3.限定効果モデル (1) 大衆社会と多元社会 (2) 個人的要因 (3) 集団的要因 (4) マス・コミュニケーション効果の一般化 (5) 利用満足研究 4-4.強力効果モデル (1) アジェンダ(議題)設定モデル (2) 沈黙の螺旋モデルと第三者効果仮説 (3) 培養理論 (4) メディア依存理論 4-5.強力影響・機能モデル (1) スキーマ理論 (2) メディア・フレーム論 (3) 能動的オーディエンス論とテクスト論 4-6.ソーシャル・メディアの普及とマス・メディアの影響力
第5章 政治コミュニケーション論の展開 5-1.政治コミュニケーション論の視座 5-2.政治コミュニケーションの効果・影響研究 (1) 政治コミュニケーション効果・影響研究に対する批判 (2) 政治コミュニケーション効果・影響研究の修正と分類 5-3.批判的コミュニケーション論 (1) マルクス主義的政治コミュニケーション論 (2) 批判的コミュニケーション論の展開 (3) イデオロギー装置としてのマス・メディア 5-4.多次元的権力観と政治コミュニケーション (1) 多次元的権力観 (2) 多次元的権力状況におけるマス・メディアの役割 5-5.政治コミュニケーションの排除モデル (1) 排除モデルの視座 (2) カルチュラル・スタディーズ (3) 「能動的オーディエンス」再考 (4) 言説分析
第6章 ジャーナリズムの自由と責任 6-1.マス・メディアの自由 (1) 「自由」のとらえ方 (2) 法制度的な保障 6-2.マス・メディアの自由に関する四理論 (1) 権威主義理論 (2) ソビエト=全体(共産)主義理論 (3) 自由主義理論 (4) 社会的責任理論 6-3.マス・メディアの自由に関する他の理論構成 (1) 発展のためのメディア理論 (2) 民主的参加のためのメディア理論@―アクセス論への展開― (3) 民主的参加のためのメディア理論A―批判的コミュニケーション論からの展開― (4) 民主的参加のためのメディア理論B―ソーシャル・メディア論の展開 6-4.マス・メディアの規制と倫理 (1) 放送に対する規制 (2) 放送に対する規制根拠 (3) メディアの自主規制 6-5.ジャーナリズム活動の問題点 (1) ニュースのとらえ方 (2) ゲートキーパーとニュース・バリュー (3) ニュースの共通性 (4) ニュースの共通性の要因@―ニュース組織とジャーナリスト― (5) ニュースの共通性の要因A―記者クラブと発表ジャーナリズム― (6) ニュースの共通性の要因B―客観報道― (7) ニュースの共通性の要因C―ニュースの物語― (8) ニュースの共通性の要因D―テレビ・メディアの特質― 6-6.ジャーナリズムと「現実」の社会的構築・構成 (1) 濾過と省略の作用 (2) 現実の社会的構築・構成@―擬似イベント (3) 現実の社会的構築・構成A―メディア・イベント (4) マス・メディア組織内での「現実」の社会的構築・構成 6-7.新たなジャーナリズムの模索 (1) ニュー・ジャーナリズム (2) ネット・ジャーナリズム
第Ⅲ部 情報化の進展とコミュニケーションの変容
第7章 情報化の進展と情報社会論 7-1.情報化のとらえ方 7-2.情報化の進展とメディアの変容 (1) 情報流通センサス 7-3.情報社会論と情報化政策 (1) 脱産業社会論としての情報社会論 (2) 各国の情報化政策 7-4.日本における情報社会論と情報化政策の展開 (1) 未来社会論 (2) ニューメディア論 (3) マルチメディア論 (4) 国家戦略としての情報化― e-Japan、u-Japan ―
第8章 情報化の進展とコミュニケーション過程 8-1.情報社会モデルと文化=コミュニケーション・モデル (1) 情報社会モデル (2) 文化=コミュニケーション・モデル 8-2.個人・家庭生活の情報化 (1) 個人・家庭生活の情報化の指標 (2) インターネットの利用と評価 (3) 情報化の進展と価値(観)の多様化 (4) 個人間のデジタル・ディバイド 8-3.情報化と地域社会 (1) ケーブルテレビへの期待 (2) 地域情報化構想 (3) 情報化の地域間格差 (4) 地域コミュニティとヴァーチャル・コミュニティ (5) 地方の危機と地域コミュニティ論 8-4.情報化とマス・コミュニケーション (1) 新聞への影響 (2) 放送への影響 8-5.情報化とグローバル・コミュニケーション (1) 情報の「南北問題」 (2) 戦争報道 (3) ディアスポラ・コミュニティ (4) インターネットと国家間のデジタル・ディバイド
第9章 日本社会の情報化と近代化 9-1.「狭義の情報化」と「広義の情報化」 9-2.近代化の開始と交通・通信の創業 9-3.国家統合の進展と交通・通信網の整備 (1) 地域間交流の活発化 (2) 中央の成立と地方の従属化 9-4.産業化・都市化の進展と情報の大衆化 (1) 産業化と都市化 (2) マス・メディア時代の到来と言論統制 9-5.高度産業社会における情報の一極集中 9-6.戦後日本社会における集合的記憶とメディア 9-7.日本社会の中の情報化
引用・参照文献・論文 索引
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