政治思想史入門

まえがき 序論
第一章 主題と方法 一 はじめに 二 社会科学の特徴 ―― 自然科学との違い 三 政治のフィクション性 四 ヒュームのオピニオン論と理性観 五 正当性(レジティマシー)の問題 六 ファクト論 七 政治思想史の方法論 八 四つのカテゴリー ―― 「コスモス」、「運命」、「時間」、「法」 「コスモス」 「運命」 「時間」 「法」
第二章 古代ギリシアの思想状況 一 神話世界から民主政治へ 運命と人間 デモクラシーのエートス 古代のデモクラシー ミュトスとロゴス 古代ギリシアの「時間」 アテナイにおける政治の理論 “what is”、“what seems”、“what matters” 二 悲劇詩人 ギリシア悲劇とアテナイ アイスキュロス『縛られたプロメテウス』 ソフォクレス『オイディプス王』 アイスキュロスのオレステイア三部作 ソフォクレス『アンティゴネー』 三 トゥキュディデス 四 ソフィスト
第三章 プラトン 一 知の探究者プラトン 二 対話篇の意義 三 プラトンの政治理論 正義論 哲人統治論 ―― 教育論、政体論 四 プラトンのコスモス論 ―― 運命、理性、自由 五 プラトンの思想の運命 ナチズムとプラトン “what seems”の混乱 “what is”の不在
第四章 アリストテレス 一 万学の祖アリストテレス 二 プラトンとの相似と相違 三 アリストテレスの政体論 四 アリストテレスの自然観 五 アリストテレスの政治思想 アリストテレスのプラトン批判 ―― ロゴスの多元性 運命との対峙 法と時間 観照的な活動 六 アリストテレスの思想の運命
第五章 ワープ! 一 「人民の利益」 ―― 超高速時空旅行(ワープ)の道しるべ 二 三つのテーゼ 三 ヘレニズムとストア派 四 ローマの政治思想とキケロ ローマの「運命−徳パラダイム」 キケロの政治思想 五 キリスト教と中世 古代ギリシア・ローマからの価値転換 キリスト教思想のアンビヴァレンス 六 アウグスティヌス 七 トマス・アクィナス 八 キリスト教思想とローマ法のアンビヴァレンス 言説による権力の強化 言説のアンビヴァレンス ―― 権力の絶対化と相対化 イタリアの都市国家とローマ法
第六章 マキアヴェリ 一 梟雄か共和主義の英雄か ―― マキアヴェリの多面性 二 『君主論』と『ディスコルシ』 三 マキアヴェリの“what is”、“what seems”、“what matters” 四 人文主義の伝統 五 人文主義の運命論 六 君主の「ヴィルトゥ」 ―― 『君主論』 七 人民の「ヴィルトゥ」 ―― 『ディスコルシ』 八 マキアヴェリと宗教
第七章 ホッブス 一 百年の混乱とホッブスの野心 二 近代国家の諸要素 三 ホッブスの科学的世界観 四 ホッブスの自然観 五 自然状態からの脱却 ―― 自然法・信約・時間 六 ホッブスの代表理論 七 ホッブスの自由論 八 ホッブスのイデオロギー的試み
第八章 ロック 一 革新的にして敬虔なるジョン・ロック 二 ロックの神学的パラダイム 三 ロックの自然状態と政治社会 四 ロックに関する仮説の提示 ―― 批判的思考のサンプル 五 『統治二論』の検証 六 ロックにおける約束・時間・自由 ―― ホッブスとの対話
第九章 ルソー 一 稀代の人気者の理想と現実 二 『学問芸術論』と『人間不平等起原論』 三 『社会契約論』 政治的権威の正当性 一般意思と強制的自由 立法者 なぜ抵抗権は不要なのか 独裁官 四 徳と人間性の両立 五 ルソーにおける時間・約束・自然法
第一〇章 その後 一 フランス革命 ―― 人民主権を求めた苦闘の果て 人権宣言 一七九一年憲法 ジャコバン派の台頭 Moral transformation の合理的および非合理的試み デモクラシーのアポリア 二 現代のデモクラシー コスモスの多元化 現在主義 デモクラシーのために
註 あとがき 索引 巻末
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