改善活動のマネジメント
問題発見・解決能力を組織に蓄積する

第1章 改善とは何か? 1 はじめに 2 改善もイノベーションも構造的には変わらない 3 改善の利点・効果 4 管理と改善 5 本書の構成
第2章 日本企業における改善活動の実態 1 はじめに 2 改善活動の進捗状況 2.1 改善進捗度の高い企業の特徴 2.2 改善進捗度の低い企業の課題 3 国内工場と海外工場の改善マネジメントの違い 3.1 改善アプローチの違い 3.2 経営トップが重要と考える要因の違い 3.3 改善活動における課題の違い 4 まとめ:調査結果から導かれた6つの知見
第T部 基礎編 問題を発見するための着眼点 第3章 目的手段関係に着目する 1 ボールペンのキャップ締め作業 1.1 付加価値作業を明らかにする 1.2 目的物の不自然な動きに着目する 1.3 付加価値作業以外のムダな作業をすべてなくせないか (第1の改善アプローチ) 1.4 付加価値作業自体をもっと効率的に行えないか (第2の改善アプローチ) 2 預金払い出し作業 2.1 付加価値作業を明らかにする 2.2 付加価値作業以外のムダな作業をすべてなくせないか (第1の改善アプローチ) 2.3 付加価値作業自体をもっと効率的に行えないか (第2の改善アプローチ) 3 おわりに
第4章 因果関係に着目する 1 はじめに 2 因果関係とは何か 3 因果関係図を描く意義 4 因果関係図を用いた改善実施 4.1 仮説・検証サイクルに通じた因果律の蓄積 4.2 ループ構造に着目した改善案の著想方法 5 おわりに
第U部 実践編 改善を困難にするコンフリクトの克服
第5章 供給プロセス全体の改善 ―― トータル・リードタイムの短縮 1 はじめに 2 トータル・リードタイム短縮の基本的な考え方 2.1 トータル・リードタイム短縮の経営効果 2.2 トータル・リードタイムの構成要素 2.3 「双方向化」と「多段階化」 3 事例に見るトータル・リードタイム長期化の要因 3.1 事例の概要 3.2 A社における長期化要因の分析 3.3 B社における長期化要因の分析 4 「双方向化」を解消するための着眼点 5 「多段階化」を解消するための着眼点 5.1 品目別分業化 5.2 自己完結化 6 おわりに
第6章 情報処理プロセスの改善 ―― 部門間の認識差異の解消 1 はじめに 2 分析の視点 2.1 改善の対象となる問題の捉え方 2.2 部門間の認識差異 2.3 2つの情報プロセス図 3 認識差異に着目した改善アプローチ 3.1 制約条件としての事実を変更する 3.2 情報プロセスに関する事実認識を変更する 3.3 外部環境に関する事実認識を変更する 4 C社の事例への適用 4.1 事例の概要 4.2 各部門が認識する情報処理プロセスの内容 4.3 問題点の発生原因に関する分析 4.4 改善アプローチの適用 5 おわりに
第7章 情報システム導入の失敗原因分析 1 はじめに 2 先行研究 2.1 情報システム導入の失敗に関する先行研究 2.2 利害関係者間のコンフリクトに関する先行研究 3 失敗原因の分析モデル 3.1 コンフリクトが顕在化しているケース 3.2 コンフリクトが潜在化しているケース 4 事例研究 4.1 D社の概要 4.2 失敗原因の分析モデルの事例適用 5 考察 5.1 コンフリクト解消の基本方策 5.2 解決方策のモデル 5.3 解決方策のモデルの事例適用 6 おわりに
第V部 マネジメント編 組織の改善文化を涵養する
第8章 2つの改善アプローチ ―― ターゲット追求型とオープン・エンド型 1 はじめに 2 分析の視点 3 事例の概要 4 改善活動を通じた組織学習過程 4.1 改善活動開始前:危機意識の向上(1986年) 4.2 トップダウンによる改善活動の開始(1987年) 4.3 ライン・スタッフが協同で改善を実施(1988〜91年) 4.4 新たな改善活動の開始(1991〜94年) 4.5 自己完結生産ライン・生産管理システムの構築(1995〜98年) 5 事例に見る改善活動の成功要因 5.1 事後合理性 5.2 事後合理性を追求する推進力の源泉 6 考察 6.1 事例における課題 6.2 改善活動における2つのアプローチ 7 おわりに
第9章 3Sの徹底を通じたオープン・エンド型改善 1 はじめに 2 3S活動とは何か 3 3Sの間接効果 4 なぜ3Sの徹底は問題発見・活動継続に結びつくのか 4.1 整理が問題発見・活動継続に結びつく論理 4.2 清掃が問題発見・活動継続に結びつく論理 4.3 整頓が問題発見・活動継続に結びつく論理 4.4 3S活動全体が継続する論理 5 3Sの徹底を通じた工場文化の形成 6 「遊び」が文化創造を促進する 7 習慣的行為が文化を創造する
第10章 改善活動を推進するミドル・マネジャの役割 1 はじめに 2 先行研究 2.1 改善活動に対する従業員の参加メリット・デメリット 2.2 改善活動を推進するミドル・マネジャの役割 3 作業仮説の構築 4 事例研究の方法 5 事例研究の結果 5.1 調査事例の概要 5.2 改善活動を推進するミドル・マネジャの役割 6 事例研究を通じたインプリケーション 7 おわりに
第11章 あらためて「ものづくり」を問う 1 「ものづくり」という概念装置 2 3Sは「ものづくり」の根幹 3 海外工場における改善活動 4 海外工場におけるオープン・エンド型改善実施のポイント 5 おわりに
あとがき 初出一覧 参考文献 索引
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