社会保障費用統計の理論と分析
事実に基づく政策論議のために
はしがき 序章 政策論議とそれを支える事実(エビデンス) [西村 周三] 1 はじめに――問題提起 2 ILO 統計について 3 OECD 統計について 4 むすび
第1部 社会保障費用統計の成り立ちと実際
第1章 社会保障の成り立ちと費用統計の歴史 [勝又 幸子] 1 はじめに 2 1950年度〜1981年度 3 1982年度〜2001年度 4 2002年度〜2009年度 5 2010年度から現在、そして近未来 6 今後の課題と展望
第2章 社会保障費用統計の定義と構成 [竹沢 純子] 1 OECD 基準の定義、集計対象、分類 (1) 社会支出の定義・集計範囲 (2) 政策分野別分類の定義と支出の具体例 2 ILO 基準の定義、集計対象、分類 (1) 収入の分類と定義 (2) 支出の分類と定義 (3) 他制度からの移転と他制度への移転
Column 1 社会保障費用の国際基準の関係 Column 2 各種統計におけるサービス(現物)給付の扱い
第2部 日本社会の変容と社会保障
第3章 社会保障費用の動向 [竹沢 純子] 1 OECD 基準社会支出の時系列推移――1980〜2011年度 2 ILO 基準社会保障給付費の時系列推移――1950〜2011年度 (1) 社会保障給付費の推移 (2) 社会保障収入の推移:1960〜2011年度
第4章 我が国の人口動向と社会保障 ――過去から現在までの期間 [金子 隆一] 1 人口と社会問題 2 我が国の人口動向と社会保障の歩み (1) 戦前の人口動向 (2) 終戦直後の人口動向 (3) 戦後復興期〜高度経済成長期の人口動向 (4) 安定成長期〜現在の人口動向 3 おわりに
第5章 人口構造の変化と社会保障制度改革 ――社会保障費用統計の動向から [勝又 幸子] 1 はじめに 2 終戦から戦後復興期と高度経済成長期の社会保障給付 (1) 国民皆保険・皆年金の意味 (2) 「もはや戦後ではない」といわれた時代 3 2つのショック(第1次・第2次オイルショックと1.57ショック) ――1970年代後半から1990年 (1) 老人保健制度の創設 (2) 国民基礎年金制度の創設 4 1990年代から現在に至る少子高齢化と経済低成長の時代 (1) 介護保険制度の導入 (2) セーフティネットの再認識 5 まとめにかえて
第6章 少子化と人口学的要因 [佐々井 司] 1 近年の出生動向 2 結婚動向と近年の特徴 3 夫婦の出生動向 4 結婚と出生との関係 5 その他の留意事項
第7章 我が国の少子化政策の変遷と家族関係社会支出の推移 [藤原 朋子] 1 少子化対策の変遷 (1) 少子化関連各種プランの変遷 (2) 児童手当 (3) 子ども・子育て支援新制度の創設と概要 2 これまでの少子化対策と家族関係社会支出の関係の考察 (1) 1990年度から2011年度の変化の概観 (2) 家族関係社会支出の構成(現金・現物)の変容 (3) 総括的考察 (4) 家族関係社会支出の活用 第8章 日本の雇用保険制度と雇用政策 [藤井 麻由] 1 はじめに 2 雇用保険制度の概略 (1) 給付・事業の種類と歳出 (2) 資金の流れ (3) 適用条件 3 失業等給付 (1) 失業給付の制度 (2) 失業給付に内在する問題と制度改正 (3) セーフティネットとしての機能の低下 (4) その他の給付 4 就職支援事業 5 雇用保険二事業 (1) 雇用保険二事業の制度 (2) 雇用調整助成金 6 雇用保険制度の財源 (1) 財源の推移 (2) 財源を巡る議論 7 結びにかえて
第3部 日本の社会保障制度の課題と展望
第9章 国際比較の意義と実際 [勝又 幸子] 1 はじめに 2 社会保障費用統計の国際的展開 (1) 初期の展開 (2) 新たなニーズに対応した展開 (3) 国際統計に共通する集計枠組み (4) 給付と租税支出の統合――純社会支出 3 OECD SOCX の利用実例 4 社会保障統計の利用上の留意点 5 結語 第10章 先進国における高齢化と社会支出の動向 ――収斂と多様化 [伊藤 善典] 1 はじめに 2 年金制度 (1) 年金制度の体系 (2) 年金改革の動向 (3) 理念・制度・支出の収斂と多様化 3 高齢者介護 (1) 介護支出の動向 (2) 高齢者介護政策の動向 (3) 制度・支出の拡散 4 今後の展望
第11章 女性の就業率、家族支援策と出生率 ――OECD 加盟国における国際比較 [小塩 隆士] 1 はじめに 2 出生率の決定要因に関する先行研究 (1) 女性の就業率との関係 (2) 家族政策の効果 3 データと分析手法 (1) データ (2) 分析手法 4 分析結果――記述統計分析 (1) 底入れする出生率 (2) クロスセクション・データでみた相関係数の変化 (3) 各国別の動向 5 分析結果――回帰分析 (1) 女性の就業率と出生率 (2) 家族社会支出と出生率 (3) 推計期間のスライド 6 分析結果の考察 (1) 変化する女性の就業率と出生率との関係 (2) 出生率を高める家族支援策 (3) 出産・育児休業に伴う支出の効果 7 結論
第12章 国民経済計算(SNA)と社会保障費用統計を用いたマクロ計量分析 [佐藤 格] 1 はじめに 2 SNA と社会保障費用統計の相違点 (1) SNAにおける社会保障の取り扱い (2) SNAと社会保障統計の比較 (3) 比較に用いるデータ 3 モデル (1) モデルの特徴 (2) データ (3) 推計とシミュレーション 4 結果の比較 5 結論 Column 3 社会保障の将来を描く手法 Column 4 GDPの構成要素と社会保障
第13章 人口の将来推計と社会保障 ――日本の将来推計人口の見通しと社会保障制度に与える影響 [金子 隆一] 1 はじめに 2 恒常的な人口減少 3 人口高齢化の進展と社会保障の課題 4 出生数、死亡数の動向と社会保障の課題 5 おわりに――社会保障の新たなパラダイムを求めて
終章 事実(エビデンス)に基づく政策研究の展望 ――本書の概要と位置づけ [西村 周三・勝又 幸子] 1 はじめに 2 第1部「社会保障費用統計の成り立ちと実際」の位置づけ 3 第2部「日本社会の変容と社会保障」の位置づけ 4 第3部「日本の社会保障制度の課題と展望」の位置づけ 5 事実(エビデンス)に基づく政策研究の基礎資料 6 社会保障費用統計が基幹統計指定されたことの意義
資料――基本データ
索引
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