フーコーの闘争
― 〈統治する主体〉の誕生
序 章 フーコー統治論をめぐる状況 1 はじめに 2 後期フーコーと統治論はいかに論じられてきたのか 3 本書の構成
第1章 誘惑される権力――抵抗の先行性と不可能性をめぐって 1 概念としての抵抗の不在 2 監獄情報グループと〈耐えがたさ〉の政治性 3 誘惑する権力―― 「汚辱に塗れた生」の権力論 4 抵抗と権力から導きへ
第2章 規律訓練とエロスの技法―― 〈導き〉のキリスト教型権力モデル 1 権力装置のタイポロジーとその特徴 2 性の科学とエロスの技法――二つの真理モデルと二つの主体化 3 エロスの技法と自己の主体化 4 規律訓練権力論から〈導き〉へ 5 性の科学とエロスの技法の不可分性から統治概念へ
第3章 司牧権力の系譜学――新自由主義批判から自己と他者の統治へ 1 司牧権力概念の確立 2 世俗的司牧権力としての国家理性論 3 政治経済学の誕生と自由主義型統治性 4 新自由主義の統治性――社会そのものに介入する統治 5 統治分析の一般的射程
第4章 イスラーム的統治は存在しない――政治的霊性としての〈対抗導き〉 1 「イラン革命」という出来事 2 ジャーナリスト・フーコーのイラン情勢分析 3 イスラーム的統治と政治的霊性 4 〈対抗導き〉としてのイスラーム的統治 5 イスラーム的統治は存在しない
第5章 用いる者と用いられるものは別である―― 一九八〇年代統治論の展開 1 司牧から統治と導きへ 2 統治実践としての自己への配慮――プラトン 『アルキビアデス』 3 ヘレニズム哲学による〈倫理的な〉主体としての自己 4 主体論と権力論の統合としての自己への配慮
終 章 抵抗と権力から統治する主体へ 1 権力と主体の二元論から一元的な統治概念へ 2 啓蒙による自己への反逆 3 パレーシアの倫理的転回と倫理的政治
あとがき 註 参考文献
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