恋するフランス文学

まえがき
第1章 カルチエ・ラタンの恋 フロベールの一通の手紙/大学と学生の実態/グリゼットの肖像/学生とグリ ゼット/グリゼットの恋の文学的表象/永遠のグリゼット神話
第2章 ボヘミアンと女たち ボヘミアンという社会現象/バルザックの見解/ミュルジェール『ボヘミアンの生 活情景』/かりそめの恋/ボヘミアンから市民としての芸術家へ/女嫌いの文 学/芸術と愛の二律背反/独身者は社会の脅威である
第3章 恋する娼婦 ヒロインとしての娼婦/愛による救済/堕落から立ち直った天使/『椿姫』あるい は娼婦の贖罪/愛の殉教者/戯曲版における変更/デュマ・フィスの娼婦観
第4章 ロレットから宿命の女へ ロレットの出現/ロレットの生理学/グリゼットからロレットへ/フロベール『感情 教育』/ロザネットの身体/束の間の蜜月/第三共和制下の売春をめぐる論争/ 自然主義小説の娼婦/性と祭壇/ナナの愛と死
第5章 不倫の恋の物語 不倫という名の情熱/『クレーヴの奥方』と『危険な関係』/ブルジョワ社会と人妻/ 十九世紀フランスにおける女子教育と修道院/エンマの夢想/結婚に対する異議 申し立て/バルザックの忠告/歓びと哀しみと/悲劇から日常性へ
第6章 第三の性 同性愛者たちの物語 同性愛の位置づけ/『人間喜劇』の同性愛者たち/パキタの受難/両性具有ある いは倒錯の魅惑/欲望する女と苦悩する男/呪われた女たち/性科学の言説/ 『ソドムとゴモラ』/静かな愛の輪舞/ジッドとアフリカの誘惑
第7章 近親愛というタブー 絶対的なタブー/宿命としての近親相姦/父と娘の物語/義母と息子の危うさ/ 兄弟姉妹という複雑な関係/アメリーの罪深い情念/『恐るべき子供たち』ある いは死に至る愛/高貴と汚辱のはざまで
あとがき 参考文献 人名・作品名索引
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