アメリカ文学史
駆動する物語の時空間

はじめに--「アメリカ文学史」とは何か 第1章 アメリカ文学史序説--ロード・ナラティヴの千年紀 1 アメリカン・ドリームは移動する 2 ロード・ナラティヴのフロンティア 3 グローバリズム以後のアメリカ文学地図 第2章 神権制下の文学--ピューリタニズム 1 キャプテン・ジョン・スミスの遺産 2 丘の上の町 3 反律法主義論争 4 異端者と異民族と 5 セイラムの魔女狩りとは何であったか 6 アメリカ的主体の多元的起源 7 マザーからエドワーズへ 第3章 独立革命の文学--リパブリカニズム 1 マザー、エドワーズ、フランクリン 2 自伝のタイム・パラドックス 3 信仰ではなく信用を 4 隠喩としてのファミリー・ロマンス 5 パンフレットの文学 6 『コモン・センス』から『独立宣言』へ 7 コネティカット・ウィッツ 8 アメリカ小説の起源 9 共和制読書のアレゴリー 第4章 膨張主義の文学--トランセンデンタリズム 1 アメリカン・ロマンスの曙 2 インディアンはひとりではない 3 ペイル・フェイス、レッド・スキン 4 アメリカン・ルネッサンス 5 ヤング・アメリカの文学的独立 6 一八五〇年の妥協 7 白鯨オン・ザ・ロード 8 白の女たち 第5章 進化思想の文学--ダーウィニズム 1 ダーウィン以前 2 ストウ夫人『アンクル・トムの小屋』 3 もうひとりのハリエット 4 南北戦争以前・以後 5 ゲティスバーグの演説 6 マーク・トウェインの冒険 7 リアリズムとナチュラリズム 8 ヘンリー・ジェイムズの想像力 9 クレオールの世紀末 第6章 荒地以後の文学--コスモポリタニズム 1 イエロー・ペリル 2 蝶々夫人症候群 3 一九〇〇年の奇遇--ボームとドライザー 4 パリのアメリカ人 5 コスモポリタンの詩学--パウンドとエリオット 6 「荒地」のあとで 7 失われた世代 8 荒地を越えて氷山の一角へ--フィッツジェラルドとヘミングウェイ 9 三〇年代への転換--ウィラ・キャザーの闘争 第7章 冷戦危機の文学--ポスト・アメリカニズム 1 アメリカの世紀 2 さまざまなルネッサンス 3 敗北の想像力--フォークナー、バック、ミッチェル 4 米ソ冷戦以前・以後 5 魔女狩り、赤狩り、同性愛者狩り--マシーセンに始まる 6 失われた世代からビート世代へ--またはサンフランシスコ・ルネッサンス 7 アメリカ黄金時代 8 サイバネティックス時代の文学 9 ポストモダン・アメリカの主体形成 10 二十世紀アメリカ小説最高傑作 11 文学史的自意識--ジョン・ベリマンの陰に 12 ポール・オースターとアメリカ文学史 13 ドン・デリーロ『アンダーワールド』または世紀転換期の夢と悪夢 第8章 アメリカ文学の正典を読む 1 ナサニエル・ホーソーン『緋文字』 2 ハーマン・メルヴィル『白鯨』 3 マーク・トウェイン『不思議な少年』 4 トマス・ディクソン『クランズマン』 5 ウィリアム・フォークナー『響きと怒り』 6 ジョン・スタインベック『怒りの葡萄』 7 リチャード・ライト『アメリカの息子』 8 J・D・サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』 9 トニ・モリスン『ビラヴド』 10 トマス・ピンチョン『メイソン&ディクソン』 11 アン・ブラッドストリート『十番目の詩神』 12 ウォルト・ホイットマン『草の葉』 13 ガートルード・スタイン『やさしい釦』 14 シルヴィア・プラス『エアリアル』 15 アドリエンヌ・リッチ『血、パン、詩』 16 ユージーン・オニール『楡の木陰の欲望』 17 アーサー・ミラー『セールスマンの死』 18 テネシー・ウィリアムズ『イグアナの夜』 19 T・S・エリオット原作 アンドリュー・ロイド・ウェッバー作曲 ミュージカル『キャッツ』 20 トニー・クシュナー『エンジェルス・イン・アメリカ』 第一部「至福千年紀が近づく」 第二部「ペレストロイカ」
Column 1 船旅のフロンティア --ウィリアム・L・ヒート=ムーン『水路アメリカ横断8500キロ 西へ!』 2 ボルティモアの文学史 3 アメリカ禁酒運動の運命 4 ネイチャー・ライティング 5 リンチ国家アメリカ 6 ヴードゥー・ジャズ小説の最高峰--イシュメール・リード『マンボ・ジャンボ』 7 一九二〇年代の文学史革命 8 アメリカン・ゴシックの達成--ポール・ボウルズ『遠い木霊』 9 同毒療法のビート的伝統--ウィリアム・バロウズ『ウェスタン・ランド』 10 映画「すべての美しい馬」考--現世界の終わりと新世界の始まりを告げる 11 ブラック・フェミニズム--トニ・モリスン『パラダイス』 12 韓国系アメリカ文学の可能性--チャンネ・リー『最後の場所で』 13 ポストコロニアル文学の収穫--ジャメイカ・キンケイド『アニー・ジョン』 14 『小説作法』--スティーヴン・キングの極意 15 スポーツ小説を超えて--デイヴィッド・プリル『葬儀よ、永久に続け』 16 ナノテク文学の未来--ニール・スティーヴンスン『ダイヤモンド・エイジ』
参考文献 アメリカ文学年表 索引
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