南アジアの文化と社会を読み解く

まえがき 南アジアの文化と社会を読み解く 鈴木 正崇
インド 祈りの造形―かたちから意味を読み解く 小西 正捷 1 儀礼的床絵の世界 2 豊饒の文様 3 ブロト儀礼と呪詞のチョラ 4 床絵の広がり 5 床絵と壁画 6 民俗画から民族画へ 7 絵語りの世界
民衆ヒンドゥー教とは何か ―インド・ラージャスターン州メーワール地方の事例を中心に 三尾 稔 1 民衆ヒンドゥー教の世界 2 現世利益を求める簡素な実践 3 触知可能な神への信仰 4 教義の壁を乗り越える 5 民衆ヒンドゥー教と現代インド社会
インドの聖地と環境問題―聖地バナーラスにおける生活と信仰をめぐって 宮本 久義 1 はじめに 2 精神文化の源泉としての水 3 ヒンドゥー教における水の特性 4 中宇宙たる聖地バナーラス 5 ガンジス川の汚染と浄化プロジェクト 6 おわりに―現代社会にインド精神文化の投げかける意味
北インドの結婚式の変化―チャイからコーラへ 八木 祐子 1 スレンダルの結婚 2 ジャイマール婚 3 モバイル時代の結婚
インド映画一〇〇年の魅力―世界最多製作国の輝きと変遷 松岡 環 1 はじめに 2 インド映画の特徴 3 インド映画の一〇〇年 4 経済発展による変化 5 インド映画と社会―結びに代えて
インド音楽の世界―楽器に見る人々の「こだわり」 田中多佳子 1 はじめに 2 インド音楽の基礎知識 3 インドの楽器をめぐって 4 インドの楽器概観 5 ミラジュ・ターンプーラーはなぜ良いのか 6 楽器を通して見たインド音楽の今日 7 おわりに―楽器に見るインドの人々の音楽へのこだわり
インド文化の多様性と統一性―『ラーマーヤナ』とカレー料理を例として 辛島 昇 1 はじめに 2 『ラーマーヤナ』をめぐって―多様な物語の発展と歴史的意味 3 カレー文化論―カレーとミルクによるインド料理の形成 4 おわりに
南インドのカーストとジェンダー―ケーララにおける母系制の変容を中心に 粟屋 利江 1 はじめに 2 ケーララという地域 3 ケーララにおけるカースト構成と母系制概要 4 母系制の変容と解体 5 むすびにかえて
インドの移民・聖性の移動・環境変化―聖なる水、ガンガー・ジャルをめぐって 重松 伸司 1 はじめに 2 インド移民史概観 3 商品化された「ホーリー・ウォーター」ガンガー・ジャル 4 在外インド人とガンガー・ジャル 5 神聖大河、ガンガー 6 汚染大河、ガンガー 7 ガンガーの浄化運動 8 ガンガーはどう変わったか、どう変わるのか 9 おわりに―魂とモノとの調和を目指して
ヨーガの要諦とヨーガのグローバル化をめぐって 山下 博司 1 ヴェーダの「祈る宗教」とヨーガの「瞑想する宗教」―インド宗教の二大要素 2 『ヨーガ・スートラ』のアシュターンガ・ヨーガ 3 真(プル)我(シャ)の独存―古典的ヨーガが窮極的に目指すもの 4 後期ヨーガ(ハタヨーガ)の展開 5 ハタヨーガと一元論思想 6 ヨーガと苦行―似て非なるもの 7 ヨーガの氾濫とグローバリゼーション 8 シンガポールのヨーガ―伝統と創意の現場から 9 ヨーガの将来に向けて―結びにかえて
パキスタンにおけるムスリムのNGO―ハムダルドの理念と活動 子島 進 1 はじめに 2 ムスリムの価値観 3 善行の制度化 4 ハムダルドの始まり 5 ハムダルド財団(パキスタン) 6 学園都市 7 成果と展望
ベンガルのバウルの世界 ―フォキル・ラロン・シャハにおける多元的な宗教世界と身体の修行 外川 昌彦 1 バングラデシュの世界遺産 2 ベンガルのバウル 3 バウルの導師・ラロン・フォキル 4 南アジアの口頭伝承の世界 5 身体の宇宙論 6 インド密教とバウル 7 スーフィズムとラロン 8 宗教の多元性を体現するラロン 9 ラロンが残したもの
スリランカの民族問題とNGO活動 澁谷 利雄 1 はじめに 2 仏教とシンハラ・ナショナリズム 3 和平への動きと内戦再燃 4 津波災害と復興活動 5 おわりに
「仏教王国ブータン」のゆくえ―民主化の中の選挙と仏教僧 宮本 万里 1 はじめに―僧侶の統べる国から、王の統べる国へ 2 国籍法からみる「ブータン人」の境界の変遷 3 文化政策と環境政策の接合 4 民主化プロセスとしての選挙とその概要 5 選挙にみる「ブータン市民」の境界 6 ブータン社会における仏教界の位置づけ 7 おわりに―仏教王国ブータンのゆくえ
流動するネパール、あふれるカトマンドゥ盆地 石井 溥 1 はじめに 2 ネパールの地理、言語、歴史、人々 3 近年の変化 4 おわりに
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