「テル・ケル」は何をしたか
アヴァンギャルドの架け橋

はじめに
T部 1章 「テル・ケル」と(その)時代 1 あなたは「テル・ケル」を知っていますか 2 終わりのはじまり―「ランフィニから「テル・ケル」へ 3 「テル・ケル」から「ランフィニ」へ 4 時代あるいは反時代
二章 鬼っ子文芸誌の誕生 1 フィリップ・ソレルス(ジョワイヨー)の「挑戦」 2 ボルドー・コネクションと「ソレルス」の誕生 3 「物の言葉」の詩人、フランシス・ポンジュとの出会い 4 二人の新人”S”による二通りの「残酷」 5 二つの川の合流 6 六人の「サムライたち」 7 創刊前夜
三章 創刊号 1 「テル・ケル」の窓―エピグラフ 2 アヴァンギャルド「宣言」 3 「宣言」のアヴァンギャルド―未来派、ダダ、シュルレアリスム 4 ポンジュからポンジュへ 5 “P”に捧げる「レクイエム」 6 クロード・シモンの時空 7 ユグナンの処女作/白鳥の歌『荒れた海辺』 8 ロマン主義の抹殺とヌーヴォー・ロマンへのシフト 9 一九六〇年、もう一つのアヴァンギャルド―「青の画家」とその死
四章 ヌーヴォー・ロマンからアルトー、バタイユへ 1 ヌーヴォー・ロマンと「テル・ケル」のかりそめの蜜月 2 ジェローム・ランドンとミニュイ社の半世紀 3 「テル・ケル」2号の旋回と亀裂の予兆 4 アルトーへのオマージュ 5 チボードーの不思議な世界 6 ロブ=グリエで読むパンジェ『パッサカリア』 7 バタイユという存在と死 8 絵画を読む。映画を読む。―「プッサン」と「マリエンバート」
五章 「テル・ケル」号のゆくえ 1 苦難の時代 2 コップの中の嵐 3 初代編集長のその後とサルトル 4 そして誰もいなくなった 5 幸福な関係、その始まり 6 ソレルス・ネットワークとその事業 7 新しい風―詩、絵画、アメリカ 8 最終的な別れ
U部 六章 バルトとフーコーが「テル・ケル」にしたこと 1 友愛 2 バルトと「テル・ケル」 3 快楽・死・母 4 「零度」/「白」 5 もう一つの「零度」/「白」―マレーヴィッチの場合 6 ニーチェ、「IRCAM(イルカム)」チュニジア 7 バルトとフーコー―近さと隔たり 8 フーコーと「テル・ケル」 9 ソレルスとフーコーを繋ぐもの
七章 「テル・ケル」の選択、「テル・ケル」の賭 1 時代に抗って―ハイデガー、パウンド、セリーヌを 2 『ピサ詩篇』の闇 3 黙示録と預言者と 4 「異邦の女」 5 ファイユの貢献 6 「彼は書く―」極限の実験記録 7 「サド侯爵の幻の手紙」 8 「リベルタン・サド」の死 9 ロスコ、ポロック、デ・クーニング 10 ブラックマウンテン・カレッジでの「ハプニング」 11 ケージ、カニングハム、ブーレーズ
八章 Never explain, never complain.「言い訳はしない。不平は言わない。」 1 政治の季節―ファイユの変貌 2 『数』とデリダ 3 五月の事件 4 さまざまな闘争 5 悪夢ふたたび― 6 断ち切られた絆 7 デリダの決断 8 ジャック・ラカンの「盗まれた手紙」 9 ロートレアモン、「テル・ケル」、シュルレアリスム 10 『中国女』、『万事快調』―ゴダールとソレルス 11 「テル・ケル」の中国、ソンタグの中国 12 中国行 13 「何故ぼくは中国だったのか」 14 「天国」とバロウズのアメリカ 15 ビエンナ―レの「反体制作家」 16 「ぼくはジャズ奏者になりたかった。」
九章 失われた「時代」を求めて 1 ジョイスの方へ―「ブルームの日」 2 「ジョイス、テル・ケル」 3 ピカソの方へ―マチスとピカソ 4 『ピカソ・ザ・ヒーロー』 5 「ランフィニ」の方へ―「テル・ケル」の置土産 6 「ランフィニ」に見る「テル・ケル」 7 「テル・ケル」のかなたへ
おわりに 註 あとがき 読者のためのブックガイド 参考文献および関連書籍
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