救国、動員、秩序
変革期中国の政治と社会

総論――救国、動員、秩序 高橋伸夫
第1章 宣講所と文化館のあいだ ――近代天津における「社会教育」と中国革命 戸部健 はじめに I 中華民国期「社会教育」の概要 II 中華民国期天津における「社会教育」 III 1950年代初期における「社会教育」 おわりに 第2章 党と国家の困難な関係――中国国民党の訓政建設 岩谷將 はじめに I 革命から統治へ II 権力構造のデザイン III 戦時下の党国体制 おわりに
第3章 軍隊建設にみる秩序再編と動員の関係――1920年代広東の事例を中心に 阿南友亮 はじめに I 中国共産党の初期軍隊建設構想 II 軍隊の基盤形成の試み――農民自衛軍の事例 III 中国共産党初期の武装闘争と動員 おわりに
第4章 近代広東の民衆組織と革命 ――匪賊的行動様式の観点から 蒲豊彦 はじめに I アウトローの辛亥革命 II 農民の国民革命 III 匪賊化する農民運動 おわりに
第5章 20世紀初頭の中国都市における「民衆運動」の再検討 ――武漢を事例に 衛藤安奈 はじめに I 分析の視角 II 北伐以前の民衆運動――「愛国」運動 III 北伐以前の民衆運動――労働者運動 おわりに
第6章 党、農村革命、両性関係 高橋伸夫 はじめに I 歴史的文脈 II 革命根拠地における「婚姻のアナーキー」をめぐって おわりに
第7章 革命の財政学 ――財政的側面からみた日中戦争期の共産党支配 一谷和郎 はじめに I 革命根拠地の収入 II 革命根拠地の支出 III 抗日戦争と財政――革命根拠地の存立をめぐって おわりに
第8章 抗戦、建国と動員 ――重慶市動員委員会を事例として 段瑞聡 はじめに I 重慶市動員委員会の成立と組織構造 II 重慶市動員委員会の経常工作――国民精神総動員運動の推進 III 重慶市動員委員会の中心工作 VI 動員をめぐる問題点 おわりに
第9章 食糧徴発と階級闘争 ――国共内戦期東北解放区を事例として 角崎信也 はじめに I 共産党の食糧徴発政策の概況と東北農村 II 階級闘争下の食糧徴発――1947年度を中心として III 食糧徴発の代償 おわりに
第10章 建国初期の政治変動と宗族 ――江西省寧岡県、1949−1952年 鄭浩瀾 はじめに I 動員の背景と方法 II 動員と宗族 おわりに
第11章 江南基層社会からみた土地改革前史・序説 ――旧松江府の図正と帰戸併冊 山本英史 はじめに I 旧松江府の沿革 II 図正の履歴 III 土地改革と図正 おわりに
索引
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