中江兆民 翻訳の思想

序
第一章 『民約訳解』の全体構想 第一節 翻訳の思想──『訳解』の「叙」「民約訳解緒言」「訳者緒言」「著者緒言」 第二節 作品としての『訳解』 第三節 『訳解』を一貫する主題 第四節 『訳解』の原初的着想──巻之一第一章「本巻の旨趣」
第二章 『民約訳解』の基本的視座 ──「力」「自由権」「約」── 第一節 家父長権説批判の論理──巻之一第二章「家族」 第二節 「力」と「義」をめぐって──巻之一第三章「強者の権」 第三節 「力」批判論の構造──巻之一第四章「奴隷」 第四節 人民統合の原理──巻之一第五章「終いに約を以て国本と為さざる可からず」
第三章 『民約訳解』の根本概念 ──ルソーと兆民の契約観を中心に── 第一節 「社会契約」の訳出──巻之一第六章「民約」 第二節 「主権者」の訳出──巻之一第七章「君」 第三節 「社会状態」の訳出──巻之一第八章「人世」 第四節 「土地支配権」の訳出──巻之一第九章「土地」
第四章 『民約訳解』の「一般意志」論 ──「君権」と「公志」(「衆志」)の諸相(一)── 第一節 「君権」論──巻之二第一章「君権は以て人に仮す可からず」 第二節 「公」「私」、「志」「利」──巻之二第二章「君権は以て人に分かつ可からず」同第三章「衆志も亦た錯ること有るか」 第三節 「民」権の擁護──巻之二第四章「君権の限極」(前半)
第五章 『民約訳解』にみえる戦争観 ──「君権」と「公志」(「衆志」)の諸相(二)── 第一節 「国」の「難に赴」く時(一)──巻之二第四章「君権の限極」(後半) 第二節 「国」の「難に赴」く時(二)──巻之二第五章「人を生殺するの権」
第六章 『民約訳解』の法思想 ──巻之二第六章「律例」── 第一節 「律例」と「道徳」 第二節 「律例」からみた「公」と「私」──「一般意志」再論 第三節 「制作者」の登場と訳出の終わり
第七章 『非開化論』の「文明開化」構想 第一節 『非開化論』の特徴 第二節 「文明開化」批判の諸相
第八章 「民主国ノ道徳」と主体の確立 第一節 「民主国」の側面 第二節 「道徳」の側面
結
参考文献 あとがき 索引
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