アフター・アメリカ
ボストニアンの軌跡と<文化の政治学>

T「文脈」を求めて
序章 「丘の上の町」にて ――ボストンでのフィールドワーク プロセスとしてのアメリカ/太陽系の中心/「ボストン・ブラーミン」と「ボストン・アイリッシュ」
第1章 ボストン・ブラーミン ――「ローウェル家はキャボット家とのみ話をし、キャボット家は神とのみ話をする」 挑まれる社会/過渡期の世代/リーダー不要の地域/ノブレス・オブリージュと社交クラブ/親 密なネットワーク/成功の意味/「中上流」の文化/恋愛イデオロギー/家族の絆/資産の継承
第2章 ボストン・アイリッシュ ――「あなたに試練をあたえ、失望させるかもしれない。でも決してあなたを見捨てはしない」 変わりゆく社会/「ロウアー・エンド」と「ダウンタウン」/「本当のコミュニティ」/キャリア・アップ/「アイルランド人らしさ」/「サウシィの人だから」/教義と現実/躾と押しつけ
第3章 ボストン再訪 ――「近代」のジレンマと<文化の政治学> 1「文脈」を求めて 文化的歴史と社会的現実の構築/「居場所」の喪失と個人主義的言説の台頭/主体的選択と能動的実践/文化の政治学/「文脈」を求めて 2 アメリカの窮状 個人の誕生/転換点としての南北戦争/インフォーマントの生きた時代/近代的ジレンマ/アメリカの窮状
II 郷愁と理念のはざまで
第1章 地上で最後で最良の希望 ――「アメリカ」をめぐる相克 揺れ動く「アメリカ」の正当性/変遷する「アメリカ」のビジョン/脱構築される「アメリカ」/「アメリカ」をめぐる主導権争い/「伝統」のアイロニー/「アメリカ」の右旋回/「アメリカ」再生への模索
第2章 ひざまずかない解釈学 ――文化人類学からのまなざし 意味中心のアプローチ/「ひざまずかない解釈学」
あとがき 注 参考文献
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