市民社会の比較政治学

巻頭言 安西祐一郎 刊行にあたって 小林 良彰 序――比較政治学と市民研究 小林良彰・富田広士・粕谷祐子
第1部 総 論 第1章 比較政治のなかの「市民」 粕谷 祐子 はじめに T 市民文化 U 市民社会 V 市民共同体 結論
第2部 市民意識研究 第2章 トランスナショナル・アイデンティティの国際比較 小林 良彰・中谷 美穂 T 問題意識 U トランスナショナル・アイデンティティに関する従来の研究 V 仮説 W 分析結果――トランスナショナル・アイデンティティ X 分析結果――トランスナショナル・アイデンティティの形成 1 オーストラリアにおけるトランスナショナル・アイデンティティの形成 2 日本におけるトランスナショナル・アイデンティティの形成 3 韓国におけるトランスナショナル・アイデンティティの形成 4 ロシアにおけるトランスナショナル・アイデンティティの形成 5 フィリピンにおけるトランスナショナル・アイデンティティの形成 6 インドネシアにおけるトランスナショナル・アイデンティティの形成 7 シンガポールにおけるトランスナショナル・アイデンティティの形成 8 タイにおけるトランスナショナル・アイデンティティの形成 9 バングラデシュにおけるトランスナショナル・アイデンティティの形成 10 レバノンにおけるトランスナショナル・アイデンティティの形成 11 トルコにおけるトランスナショナル・アイデンティティの形成 12 アジアにおけるトランスナショナル・アイデンティティの形成 Y まとめ
第3章 中東諸国の市民文化 浜中 新吾 はじめに T アプローチの方法と分析概念 1 市民文化概念とガバナンス 2 ソーシャル・キャピタル 3 宗教と政治 U 中東諸国の状況 V 実証分析 1 市民文化とガバナンス――中東諸国の位置づけ 2 ソーシャル・キャピタルおよび宗教と政治 3 信頼・宗教・市民文化――相互の関連とガバナンス W 考察
第4章 主要3宗派から見るレバノン市民の対外態度 富田 広士 はじめに T 世論調査の実施とデータについて 1 レバノンにおける世論調査 2 調査結果と本章におけるデータ分析 U 国民意識と地域アイデンティティ 1 調査結果 2 2006年レバノン戦争と市民意識 V 宗教・宗派と各国別対外態度 1 アメリカ 2 イギリス 3 フランス 4 ロシア 5 エジプト 6 トルコ 7 イラン 8 イスラエル 9 シリア 10 2004年秋以降のレバノン―シリア関係 W 政党支持と対シリア意識 おわりに 1 自己環境識別意識 2 宗教・宗派と対外態度 3 政党支持と対シリア意識 付録1 調査項目 付録2 主要3宗派とのクロス集計
第5章 マジョリティなきレバノン市民意識の深層構造 黒田 安昌 はじめに T 民主主義と市民社会 1 民主主義の発展 2 市民社会の定義 U レバノンの市民社会 V データと分析法 1 データの出所 2 母集団 3 サンプル 4 データ分析方法 W データ分析の結果 1 政治と地域社会への関心(態度)とその総合的中核 2 市民社会参加活動範囲とその動機 3 総括的分析の結果 おわりに 1 要約 2 理論・方法論的意義 3 実質的意義 付録 単純集計を含む調査票
第6章 インド農村における貧困層女性の市民意識――積極的差別是正措置・NGO・エンパワーメント 北川 将之 はじめに T 議論の構図 1 エンパワーメントと市民意識 2 「ジェンダーに敏感な」市民意識と「活動的」な市民意識 3 事例と調査法 U 貧困層女性の市民意識 1 市民意識の4類型 2 市民意識と民主主義体制の安定 V 市民意識の志向性の形成 1 個人属性・地域特性・女性エンパワーメント支援の影響 2 NGOのエンパワーメント支援と地域特性の影響 おわりに
第7章 フィリピンでの民主主義の定着と超憲法的政権交代をめぐる市民意識 粕谷 祐子 はじめに T 問題の所在 U フィリピン人の民主主義に対する態度 V 仮説 1 主観的有力感 2 市民社会 3 損失の脅威 W 仮説の検証 結論
第3部 市民団体研究 第8章 韓国政治改革におけるNGO連合のジレンマと挑戦 金 赫來 はじめに T 転換期における国家、市民社会、そして非政府組織 U NGO連合による2000年総選挙の政治改革運動 V 2000年総選市民連帯の運動 1 制度的限界 2 組織的限界 3 社会文化的限界 W 2004年総選市民連帯の運動 おわりに
第9章 中東の市民社会 ムスタファ・カーミル・アッサイード はじめに T 市民社会概念をめぐる論争 1 論争の起点 2 論争の変遷 U 中東各国の市民社会状況 1 国家と市民社会 2 市民社会のキー・プレイヤー V 市民社会の不満 1 市民社会の綱領 2 イランとトルコに見られる不満 W 結論――中東の市民社会のジレンマ
第10章 変容する政府系草の根組織――シンガポールにおける国家・市民社会関係 田中 善紀 はじめに T 国家・市民社会協力関係への模索 1 「政府・NGO関係」におけるNGOの役割 2 国家と市民社会の「相乗作用」 3 国家・市場・市民社会の三角関係 U 政府系草の根組織の位置づけ 1 「草の根組織」の由来と背景 2 「草の根組織」の特徴と役割 3 「草の根組織」の位置づけ V 変容する政府系草の根組織――国家―市民社会協力関係の強化 1 変化するニーズへの対応 2 地域社会開発理事会の登場とその影響 W シンガポールにおける国家―市民社会関係――二元論の重要性 おわりに
第11章 民主主義の定着・発展と市民社会――フィリピンにおける民間選挙監視団体の活動に注目して 五十嵐誠一 はじめに T フィリピンにおける選挙の実態 U 市民団体の形成 1 NAMFREL 2 NASSA 3 PPCRV V 市民団体の活動概況 1 選挙監視 2 非公式集計 3 有権者教育 4 選挙改革アドボカシー W むすびにかえて
索引
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