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今村 純子 著 |
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四六判/上製/320頁 |
初版年月日:2010/06/10 |
ISBN:978-4-7664-1728-9 |
定価:2,940円 |
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労働者に必要なのは、パンでもバターでもなく、美であり、詩である(シモーヌ・ヴェイユ)
▼本書は、美学・詩学の視点からシモーヌ・ヴェイユの思想を体系的に論じ、その真髄を明らかにするものである。自らの「工場生活の経験」(1934-35年)を遠景にもちつつ発語された 「労働者に必要なのは、パンでもバターでもなく、美であり、詩である」 というヴェイユの言葉は、社会科学と美学・詩学との連続性を問うものであり、本書は、「見える世界」 が極度に重んじられる現代にあって、「見えない世界」 が根をもってはじめて 「見える世界」 が豊かに花開くことを提示する。
▼本書ではヴェイユの哲学が、デカルト哲学を基底にしていることに着目し、カントのみならず、デカルトがどのようにしてプラトニズムと結びつき、ヴェイユの思想を開花させたのかを体系的に論じる。一方で、ヴェイユの思想を現実の状況に照らして問い直し、また日本思想(鈴木大拙、西田幾多郎)とのつながりにも言及するなど、アクチュアルな論考。
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