▼沖縄問題は戦後日本が積み残してきた問題の縮図である。
「沖縄」には3.11後の日本がもはや避けては通ることのできない戦後日本の「高度経済成長」の陰にある都市と地方の「格差」が刻み込まれている。商品、貨幣、そして資本が東京へ一極集中する一方、「日米安保」という名のもとに「(国家の)暴力装置」である(在日)米軍は沖縄へ移駐集約されてきた。今なお沖縄は「例外状態」にあり、「米軍基地のなかに沖縄がある」ことは言うまでもない。
▼本書では、明治政府による琉球王国の併合から、敗戦後の米軍による直接軍事占領(1945〜1972年)、1972年の沖縄返還/本土復帰、そして現在に至るまで、実質的には日米両政府の内国植民地であり続ける沖縄の苦悩と闘争の歴史を、米公文書や日米外交文書といった資料を基に、アメリカ、日本政府(〔日本〕本土)、沖縄(県、県民/市民)三者それぞれの立場を勘案しながら、沖縄問題の起源を探究する。
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