開発経済学
はじめに 議論の枠組みと各章の課題 高梨 和紘 第1章 世界の貧困とその削減 澤田 康幸 はじめに 1 貧困をどう捉えるか 2 世界の貧困はどうなっているのか 3 貧困の原因は何か? 貧困削減のために何が必要か? 3.1貧困削減における経済成長の役割 3.2直接的貧困削減 おわりに―世界における貧困削減のための国際社会と日本の取り組み 第2章 貧困削減とマイクロファイナンス 佐藤 元彦 はじめに 1 貧困への対処法とマイクロファイナンス 1.1 保有資産制限 1.2 小グループ結成 1.3 女性への焦点 2 マイクロファイナンスの新たな展開 3 「残された者」と貧困削減 おわりに 参考 グラミン銀行の「5段階評価」制度
第3章 農村金融と非農業生産 高梨 和紘 はじめに 1 貧困農村家計自立化と農村金融 1.1 LBプロジェクトと自立化グループPCGs 1.2 LBプロジェクト見直しの含意 2 タイにおける非農業生産振興策 2.1 OTOPプロジェクトとタイ政府の役割 2.2 OTOPプロジェクトの実施体制 3 タイ東北部におけるOTOPプロジェクトの経済効果 3.1 東北部におけるOTOPプロジェクト 3.2 東北地域内産業連関分析 おわりに 第4章 地域的なFTAの選択とASEAN諸国の経済成長 堤 雅彦 はじめに 1 アジアにおけるFTAとシナリオ分析 1.1 日本の政策転換 1.2 アジア各国の取り組み 1.3 FTAのシナリオ分析 2 CGEモデルによるFTAの評価 2.1 シナリオ 2.2 モデルおよびデータ・セット並びに試算方法 2.2.1 モデル 2.2.2 データ・セット 2.2.3 試算方法 3 FTAとASEAN経済の変化 3.1 結果の概要 3.1.1 インドネシア 3.1.2 マレーシア 3.1.3 フィリピン 3.1.4 タイ 3.1.5 ヴェトナム 3.2 変化の原因 3.3 FTAによる地域間代替 おわりに
第5章 発展途上国の企業と雇用 山形 辰史 はじめに 1 発展途上国企業の特徴 1.1 インフォーマル・セクター 1.2 フォーマル・セクター 1.2.1発展途上国のフォーマル・セクターの特徴 1.2.2中小企業 1.3 公企業 1.3.1独立初期の公企業の意義 1.3.2公企業の民営化 2 発展途上国企業の競争力 2.1 労働コスト 2.2 投資環境 2.3 国際的な後発国優遇措置 おわりに 第6章 経済開発と教育 澤田 康幸 はじめに 1 教育は経済においてどのように扱われてきたか 2 経済発展に対する教育の貢献 2.1ミクロレベルの貢献 2.2マクロレベルの貢献 3 教育への需要 4 教育の供給 4.1教育供給の質の改善に向けて 5 教育成果の収益 おわりに 第7章 児童労働と反児童労働政策について 伊藤 成朗 はじめに 1 児童労働の定義とトレンド 1.1定義とトレンド 1.2 貿易と児童労働 1.3 マクロ的研究の限界 2 児童労働に関するミクロ的実証研究 2.1 所得が児童労働に与える影響 2.2 児童労働が児童の人的資本形成に与える影響 2.3 政策の効果 3 児童労働の理論モデル 3.1 モデルの設定 3.2 児童労働の決定 3.3 反児童労働政策の影響 おわりに 第8章 開発途上国における保健医療問題 尾崎 敬子 はじめに 1 状況認識 1.1 死亡という現象からみる健康 1.2 健康の定義 1.3 疾病の二重負担 1.4 医療体系の多元性 2 問題解決のアプローチ 2.1 国際保健医療協力のはじまり 2.2 プライマリ・ヘルスケア 2.3 感染症対策の再興 2.4 セクターとしての保健医療 3 残された課題 3.1 HIV/エイズ対策 3.1.1社会的認知と受容 3.1.2治療へのアクセスと経済効率性 3.1.3保健医療インフラストラクチャー 3.2 分析枠組み おわりに 第9章 感染症向け医薬品の研究開発とアクセス 伊藤 萬里 はじめに 1 問題の所在 1.1 感染症分布の地域差と顧みられない病気 1.2 満たされぬ新薬開発の必要性 1.3 矛盾するTRIPS協定の適用緩和と開発誘引 2 研究開発の促進とアクセスの両立 2.1 技術革新と特許制度 2.1.1 技術革新はなぜ起こるのか? 2.1.2 特許制度の功罪 2.2 プッシュ型、プル型研究開発促進政策 2.3 差別価格と並行輸入 2.3.1 差別価格 2.3.2 市場の分断 2.3.3 並行輸入 3 感染症向け医薬品開発の主体 3.1 HIV/エイズ・結核・マラリア向け医薬品開発の推移 3.2 公共部門と民間部門の開発性向 3.3 製薬大手が大きな役割 4 オーファンドラッグ制度 4.1 オーファンドラッグ制度とは? 4.2 アメリカのオーファンドラッグ制度に見られる傾向 4.3 国際版オーファンドラッグ制度構築に向けて おわりに 第10章 環境と持続可能な経済開発 小島 道一 はじめに:環境と経済の関わり 1 所得の上昇との関係から見た環境問題 2 地球環境問題と地域環境問題 3 貧困と環境問題 4 発展途上国における環境政策 4.1 キャパシティー・ビルディング 4.2 途上国の実情に合わせた環境政策 4.3 環境保全につながる貧困対策 おわりに
第11章 環境調和型発展 露口 哲男 ―日本モデルの発展途上国への適応可能性― はじめに 1 環境調和と産業発展の両立―先進国の経験 1.1 深刻化する地球環境問題 1.2 環境調和型発展―先進国の経験 2 経済発展と都市環境 2.1 都市と産業の共生 2.2 都市、産業、環境―日本の歴史の中で 3 環境調和型発展とその必要条件 4 エコタウン事業の試み 4.1 エコタウンとは 4.2 川崎臨海部地域の実験 おわりに 付録 UNEPおよびDTIEについて 第12章 開発とガバナンス 和田 明子 はじめに 1 国際援助機関におけるガバナンス論 1.1 世界銀行 1.2 DAC 1.3 国連開発計画 2 グッド・ガバナンスに見る行政学の影響 2.1 ニューパブリック・マネジメント 2.2 行政学におけるガバナンス論 おわりに
第13章 内発的発展論とスリランカのサルボダヤ運動 鈴木 晋介 はじめに 1 内発型発展論とサルボダヤ運動 1.1 内発的発展論 1.2 スリランカのサルボダヤ運動 1.2.1サルボダヤ運動概略史 1.2.2サルボダヤ開発哲学 1.2.3サルボダヤ開発プログラム 2 サルボダヤ運動をめぐる「伝統」の問題 2.1 開発の文脈への仏教思想・用語の応用 2.2 サルボダヤ運動と仏教復興運動 2.2.1植民地支配下の「仏教復興運動」とサルボダヤ運動の連続性 2.2.2「伝統」の革新の担い手と「小さき民」なるものとのギャップ 3 素描ー日常生活の中のサルボダヤ運動 3.1 サルボダヤ運動に対する一般の認識 3.2「もう一つのシュラマダーナ」 3.3 村に根づいた村内銀行 3.4 小括ー生活の場所へむけて おわりに
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