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目次
ポスト・ウォー・シティズンシップの構想力
A5判/上製/266頁
初版年月日:2005/03/31
ISBN:
978-4-7664-1142-3
 
(4-7664-1142-0)
Cコード:C3331
税込価格:3,850円
ポスト・ウォー・シティズンシップの構想力

目次

第1章 総論――ポスト・ウォー・シティズンシップ?   萩原能久
 I 旧「市民社会論」
 II 新「市民社会論」  
  1 アイデンティティ  
  2 ポスト・リベラル・デモクラシー  
  3 コスモポリタニズム  
  4 参加と連帯  
  5 反暴力 ・ ポスト・ウォー――戦争は終わった
 III 人間学としての政治学

第1部 市民とは何か
第2章 近代世界における公私関係の変容と政治の可能性   萩原能久
 I 丸山眞男と近代的主体
 II 思想史的スケッチ
 III 共同体と公共圏
 IV 近代的主体の幻想と政治理論の未来

第3章 市民社会というヤヌス   有賀 誠
 ・ 冷戦の終焉と市民社会の復権――フクヤマそして/あるいはパットナム
 ・ インテルメッツォ――閉ざす「安心」と開く「信頼」
 ・ 再帰性としての近代――樋口陽一そして/あるいはギデンズ
 ・ 良い市民社会と悪い市民社会――ハーバーマスそして/あるいはブルデュー

第4章 立憲民主体制における市民的不服従の権利   鈴木正彦
 序論
 I 市民的不服従と政治的責務――問いの環境
 II 市民的不服従の性格と定式
 III 市民的不服従の権利
  1 市民的不服従の法的権利は存在するのか
  2 道徳上の理由から法に抵触する権利
  3 ラズの見解――市民的不服従の権利は存在しない
  4 ドゥオーキンの見解――権利論による市民的不服従の正当化
  5 固有の権利としての市民的不服従
 IV テストケース提示権としての市民的不服従の権利
 結論 立憲民主体制における市民的不服従の位置付け

第2部 ポスト・ウォーの条件
第5章 東京裁判と戦後日本刑法学   フィリップ・オステン
 はじめに
 I 東京裁判の経緯および構成
 II 犯罪構成要件
  1 通例の戦争犯罪
  2 人道に対する罪
  3 平和に対する罪
 III 日本刑法学の反応
  1 軍国主義時代における刑法学の一断面
  2 東京裁判に対する刑法学の対応
 IV 小括
 おわりに

第6章 カントの永遠平和論と現代 ――「新しい戦争」時代の世界市民   北村 治
 はじめに――再び「いま、ここで」
 I カントの時代と現代の国際社会
  1 勢力均衡と国際法の矛盾
  2 現代国際社会のカント的伝統
 II 永遠平和論における世界市民
  1 理念としての永遠平和
  2 世界市民とは誰か
 III 世界市民と現代
  1 世界市民として生きる
  2 コスモポリタンなシティズンシップ
 おわりに――コスモポリタン・シティズンシップの批判的構想力

第3部 多文化・多世代共存社会の構想力
第7章 解放のプロジェクトとしての多文化主義
   ――批判的教育学の理論と実践をめぐって   向山恭一
 はじめに
 I 多文化主義と「共通文化」をめぐる論争
 II 批判的教育学の多文化主義への介入
 III 批判的多文化主義の挑戦と展望
 おわりに

第8章 リベラル・ナショナリズム論の意義と展望
   ――多様なリベラル・デモクラシーの花開く世界を目指して   施 光恒
 はじめに
 I 理論の前提
  1 登場の背景
  2 「ネイション」の規定
  3 自我観、およびナショナル・アイデンティティ
 II リベラル・デモクラシーの前提条件としてのネイション
  1 民主主義
  2 社会正義(平等)
  3 個人の自由・権利
 III 少数者の保護――ナショナリズムに対する一般的懸念にいかに答えるか
 IV 世界秩序構想
 V  意義および改善点
VI 展望――結びにかえて

第9章 パトリオティズムとコスモポリタニズムの人権擁護   松元雅和
 はじめに
 I パトリオティズムとコスモポリタニズム
  1 コスモポリタニズムの「平等な」配慮
  2 パトリオティズムの「特別な」配慮
  3 パトリオティズムの限界
 II 還元主義によるパトリオティズムの導出とその批判
  1 功利主義による正当化
  2 権利論による正当化
  3 マッキンタイアの還元主義批判
 III 多元主義とコスモポリタンの人権擁護
  1 マッキンタイアへの反批判
  2 多元主義、関係性のなかの平等、比較に適さない正義
 おわりに

第4部 市民、その「戦争」のあと
第10章 日本プロテスタンティズムの戦後経験――福音派を中心として   田上雅徳
 はじめに
 I 日本プロテスタンティズムにとっての戦中と戦後
 II ビリー=グラハム来日
 III 「彼ら」の政治と「われわれ」の社会
 おわりに

第11章 Sound of Silence――戦後世界における「寛容」の問題性と可能性   堤林 剣・堤林 恵
 I 隠喩
 II 音と沈黙――沈黙
 III 音と沈黙――音
 IV 単声(モノフォニー)か多声(ポリフォニー)か――不協和の調和、あるいは寛容
 V 沈黙と饒舌――アメリカ
 VI 音の中の沈黙(サウンド・オブ・サイレンス)と沈黙の中の音――日本

あとがき   萩原能久
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