現代ロシアの歴史認識論争
「大祖国戦争史観」をめぐるプーチン政権の思惑

序章 ウクライナの「非ナチ化」とは何か / 「記憶の戦争」 / 先行研究と本書の課題 / 本書の構成
第一章 大祖国戦争の記憶 プーチン政権の歴史認識 / 記憶の利用
第二章 顕在化する歴史認識論争 退役軍人をめぐる対立 / 記念碑をめぐる対立 / 欧州国際機関の異議申立て / 基本方針の策定
第三章 国連での活動 ナチズムの復権?/ 活動開始 / 舞台は国連総会へ / 割れる結論
第四章 「共通の記憶」としての戦勝 旧ソ連諸国へのまなざし / CIS諸国における戦勝の意味 / 「共通の記憶」の演出 / 先鋭化する対立
第五章 第三国との協力 ロシア・ドイツ関係現代史共同研究委員会 / イスラエルへの接近 / 中国への接近
補論 交錯する日中ロの戦勝八〇年 可視化される対日歴史認識 /グローバル化する歴史認識論争
第六章 パンフィーロフの二八人 メディンスキ―・ミロネンコ論争 / 「大祖国戦争史観」の死守 / 異論の封じ込め
第七章 よみがえるスターリン 割れるスターリン評価 / 共産党の歴史認識 / 共産党の活発化 / 「歴史歪曲」への対抗 / 共産党と退役軍人
第八章 法律が統べる歴史解釈 法改正の推進 / 憲法改正 / 罰則と規制の強化
終章 プーチン政権にとっての戦勝の記憶 / ロシア・ウクライナ戦争への記憶の動員 / 「ジェノサイド」/ 歴史認識論争の継続・拡大
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