グローバル化と日本企業
国際収支構造変化とパフォーマンスの実証分析

第1章 日本企業のグローバル化と国際収支構造の変化
日本の経常収支の推移/日本の対外直接投資と生産ネットワーク/国際化する企業はなぜパフォーマンスが優れているのか―― (1) 「高ポテンシャル企業」と「学習効果」:(2) 自己選択効果:(3) 学習効果と企業努力/本書の構成 コラム @ 貿易赤字の誤解 A 貿易理論の進展
第2章 輸出開始と生産品目構成の高度化
国際化とイノベーションの相互作用/データの概要/生産品目の属性で測った工場のパフォーマンス/輸出開始後の工場のパフォーマンス/輸出開始すれば誰でも学習できるのか/技術吸収能力のある企業の輸出促進 コラム B 海外展開しているイノベーション実現企業 第3章 国際展開とイノベーションの効率性
イノベーションの実現・成果・効率性/「全国イノベーション調査」データの概要/知識生産関数の推定/イノベーション会計/国際事業展開に起因するイノベーション効率性/海外の多様な情報源の活用 コラム C 世界各国の研究開発活動規模
第4章 グローバル化と労働市場 オフショアリングの拡大と熟練労働シフト/グローバル化と労働市場:先行研究における議論――(1) 雇用総量に対する影響:(2) 雇用構成に与えた影響:(3) 雇用構成の変化と労働者間の賃金格差/製造業からサービス業への産業構造変化コラム D 保護貿易は国内雇用を増やすのか E 製造業の衰退を食い止められるのか
第5章 オフショアリングと国内事業構造変化
非定型業務へのシフトと製造業のサービス化/海外事業拡大と国内事業所の閉鎖・拡大――(1) 産業別の定型業務度:(2) 分析モデルの提示:(3) 分析結果/製造業のオフショアリングと国内事業の「脱工業化」「サービス化」――(1) 製造業企業における非製造業部門の割合:(2) 製造業のオフショアリングの影響/マクロレベルでみた産業構造変化/何が事業転換を妨げるのか
第6章 グローバル・バリューチェーンの進展と日本の相対的位置
グローバル・バリューチェーン(GVC)とは/GVCと付加価値貿易/GVCへの参加度/GVCにおける相対的位置/GVC参加度の上昇と中心性の低下 コラム F カッツ=ボナシッチ固有ベクトル中心性
第7章 GVCにおけるプレゼンスの相対的低下と日本企業の技術力
GVCにおける日本のプレゼンス低下/日本の技術力/GVCネットワークにおける中心性の低下と国内のイノベーション/GVCにおける重要なサプライヤーであり続けること コラム G OECDパテントデータベースに収録された質の指標
第8章 国際政治経済環境変化の中の日本企業の課題と展望
本書で紹介した分析結果の総括/企業活動の国際化がなぜ経済成長に結びつかなかったのか――(1) 大企業の輸出の停滞:(2) 大企業の投資の停滞:(3) 大企業の成長のために:(4) 中小・中堅企業の問題/世界経済を取り巻くさまざまなリスクへの対応――(1) 経済ショックやリスクに頑健なサプライチェーンの構築:(2) 米中経済のデカップリングへの対応:(3) 欧州諸国やグローバルサウス諸国との連携 コラム H Global Innovation Index ランキング I 繰り返される摩擦:トランプ政権の関税政策と日本企業の対応 J 対日直接投資の促進
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