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目次
日本人戦犯裁判とフランス
四六判/並製/240頁
初版年月日:2025/06/25
ISBN:
978-4-7664-3035-6
 
(4-7664-3035-2)
Cコード:C0021
税込価格:2,860円
日本人戦犯裁判とフランス
インドシナ・サイゴン裁判・東京裁判をめぐる攻防

目次

はじめに――日本人戦犯裁判を読み直す

第一章 第二次世界大戦期のインドシナ――日本とフランスの「共存」
 はじめに
 1 日本の仏印進駐とフランスの対応
   仏印軍の脆弱さと日本軍の北部仏印進駐/ランソン武力進駐事件/
   南部仏印進駐と太平洋戦争の開始/日本人とフランス人の競合/日仏の奇妙な共存
 2 インドシナのヴィシー化 
   国民革命の展開/フランス人の二枚舌/青年運動の展開/
   ベトナム民族意識高揚への加担/ドゴール派の弾圧
 3 日仏の協力?
   共同支配のカムフラージュ/「文化交流」という枠組み/日本語教育をめぐる攻防/
   プロパガンダにおける戦略/日本によるラジオ放送や出版物
 おわりに

第二章 戦後インドシナをめぐる混乱と「清算」
 はじめに
 1 残留日本人という脅威
   ベトミンによるリクルート/フランスの対応と日本の協力/ベトミンの警戒
 2 ヴィシー派植民地当局の責任追及
   インドシナにおける「粛清」/フランスでの調査委員会/ヴィシー主義普及に対する糾弾
 3 日本との共存に対する批判
   日本のプロパガンダの影響/問われた「親日度」/日本人に対する「抵抗」の強調/
   日本人との不都合な協力関係
 4 ドゴール派弾圧とレジスタンス活動の不在
   ドゴール派密告の追及/反駁する者たち/レジスタンスの「捏造」
 おわりに

第三章 サイゴン裁判で何が裁かれたのか
 はじめに
 1 裁判開廷への道 
   連合国戦争犯罪委員会の設置/インドシナにおける戦犯調査の準備/
   イギリス軍と中国軍の駐留/フランスには戦犯処理の権限があるのか/
   フランスによる戦犯調査の開始/フランスと中国の確執/フランスの執念
 2 サイゴン裁判の概要
   裁判開廷/何が裁かれたのか/裁かれなかったもの
 3 裁判の判決
   クラチエ事件裁判(第三号事件)/プノンペン憲兵隊裁判(第八号事件)/
   ニャチャン憲兵隊裁判(第九号事件)/サイゴン憲兵隊裁判(第一一号事件)/
   パクセ収容所裁判(第一三号事件)/仏印捕虜収容所裁判(第一四号事件)/
   ハノイ憲兵隊裁判(第二九号事件)/ランソン虐殺事件裁判(第三九号事件)/
   高官の免訴
 4 裁判のその後――服役と恩赦
   プロコンドール島での生活/恩赦
 おわりに

第四章 東京裁判というアリーナ――連合国と法律家たちの思惑
 はじめに
 1 裁判開廷への道
   国際法廷の設置/困難な人選/アメリカによる任命
 2 訴因をめぐる攻防
   フランス代表団の到着/オネトの格闘/法廷外の奮闘
 3 フランスによる立証段階
   証拠の収集/言語をめぐる騒動/オネトによる立証/弁護側の反論/フランスの復権
 4 判決をめぐる思惑 
   多数派判事による判決/ベルナール判事の個別意見/ベルナールに対する反応/
   ペシュコフの見解と減刑の提案
 おわりに

おわりに――植民地主義の根深さ

 注
 年表
 参考文献
 あとがき
 索引
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